1996年初版　Ａ５判　P239　カバー上端僅イタミ　帯付

“「空想旅行」とは？
その表象をスリリングに読み解くさかしまの幻想文学誌”（帯文）

“海の安らかな母胎トマス・モア『ユートピア』島。想像の航海に耽溺するユイスマンス『さかしま』。ヴェルヌ『海底二万里』のネモ船長の壮絶なる孤独。いまなおはるか遠くの島である月世界「レヴァニア」への旅。ポオやメルヴィルが主題とした「蒼々として底もなく深い霊魂の相」神秘の太洋。ウェルズ、久生十蘭らが想像力で地球に穴を穿つ地底への旅。自らの内に蔵した砂漠の隠喩《メタファー》。「アニマ」の文学に運命づけられた成就なき愛。文章《テクスト》のなかにだけ存在するボルヘスの「地図にない地図」……。”（帯裏紹介文）

目次：
幻想の島へ
幾何学的な子宮
プロスペローの魔島
月―空に浮かぶ島
海という装置
地底の旅
隠喩としての砂漠
密林の美女
人体地図の系譜
二枚の地図

あとがき
参考文献
参考図版出典
索引