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1974年 四六判 P276 帯・函・本体元パラ背ヤケ 帯少シミ 函少イタミ 元パラ端少破れ P128、129シミ汚れ
“鋭い現実への切りこみ 山室 静
饗庭孝男の強みは、猥雑な現象の堆積の中に一すじ銀の糸のようにきらめいている美や理念の糸をあざやかに取出して、鋭い問題意識と広く深い知識とで、それを跡づけ、意味を解明してくれる能力にあると思う。専攻の文学はもとより、文化史、宗教、音楽、絵画、さては建築にまでわたる博識にもおどろくが、それらがよく消化されて身についているのになお敬服する。
饗庭君の今度の新著は現実への鋭い切りこみを見せる中にも、旅行記や随想が主のため、豊かな資質が気ままな川のようにあふれ流れているのがうれしい。”(帯文)
目次:
I
シエナ幻想
フィレンツェ日記
フラ・アンジェリコ ―魂の光学
ルドン
セザンヌ
青いスペイン ―ピカソ論
『西洋の誕生』 ―柳宗玄
『アール・デコ』 ―ヴェロネージ
建築と「空間」の意味
「神話」と「歴史」の間に ―イタリアの自然と思想
II
フランス音楽の魅力
グレゴリア聖歌と中世の世俗音楽
中世と詩人と音楽
モーツァルトへの感謝
モーツァルトにおける「空間」
モーツァルトと十八世紀
ワーグナーと神話の問題
思い出のレコード ―ヴィクトリアのミサとモテット集
『バロック音楽』 ―皆川達夫
バッハ「ヴァイオリン・ソナタ全六曲」
III
遥かなるチロルの旅
ヴェネチア紀行
南イタリア紀行
北フランスの光と影
旅の街角
葡萄酒の思い出
IV
《時間》について
東慶寺
古典と私
文化と風土
プラトンと言葉
老いと孤独
聖句 ―神への待ち望み
幻のエーゲ海
私読書遍歴
あとがき