平成16年新装版 A5判 ソフトカバー P185 帯背ヤケ カバー僅スレ
“「妖怪」―この懐かしくも夢多い“存在”の原型を文学・絵画・芝居・映画の世界にさぐり、彼らが出現するにいたる時代背景を明らかにする。
妖怪人気の秘密を解き明かす名著の新装版!”(帯文)
昭和43年に初版が発行され、46年に増補改訂版、49年に三版が刊行されたものを、新装版として刊行。
目次:
第一章 日本的怪物の原型
おばけ {おばけの種類}
死せず、かくれるのみ {自然=変化の恐怖}
ぬし {主(ぬし)の伝説}
死者の容姿
亡者と鬼 {悪魔の定型}
つきもの
第二章 王朝時代の怨霊たち
魂は宙を飛ぶ
たまよばい {霊異出現/道真の復讐/将門と崇徳院}
百鬼夜行 {変化の原理/異名としての鬼/怪盗伝説/鬼=悪党の論理}
金毛九尾 {魔性への転生/道成寺伝説の情念/野狐禅の変形/善意畜交譚/妖獣の邪念/「九尾の狐」のロマン/化生・玉藻・狐}
さむらいは強い {説話の中の武勇}
晴明と小角 {陰陽道の思想/妖怪“識神”/使役される識鬼}
血のあけぼの {武者亡霊の雄姿}
第三章 妖怪紳士録
空想の復讐
「いわ」と「かさね」と「きく」 {幽霊発生の基盤/女と怨念/実説四谷怪談/不可解な成功/戸板返しの秘密/講談・四谷怪談/岩と累の違い/累解脱/皿屋敷/その他の女性群/男の幽霊/牡丹灯記}
足と柳 {「応挙」幽霊/鳥山石燕の「型」/死霊の条件/幽霊の周辺/うぶめ}
完成された妖怪たち {おに/天狗/河童/人魚/海坊主/雷獣/ももんがあ/ろくろっ首/のっぺらぼう/小僧と入道/からかさの一本足/きつね/狸と貉/ねこ/鼬・貂・狸/おおかみ/獺・河獺/蜘蛛/へび/守宮・井守/なまず}
おばけは楽し {ばけものの風化/怪異の市民権}
再び血のあけぼの {近代皇室の呪い/田中河内之介/坂本竜馬の幽霊}
第四章 現代と妖怪・幽霊
しんけいびょう {否定される幽霊}
幽霊の復活 {死霊説と生霊説}
郷愁の美学 {鏡花と綺堂/構想の合理化へ}
見たよ見ましたネオンの蔭で {筆者の周囲にも}
幽霊無差別
ゴジラは誇る
さらば善き霊よ
あとがき