1978年初版、83年2刷　文庫判　P522、330　各巻カバー少ヤケ、少クスミ　小口からページ端にかけてヤケ　Ｉのみ帯付（スレ、シミ）

【Ｉ】
“残酷さとユーモアで人間の暗黒部分に肉薄する短篇の名手サキの50篇！”（帯文）
“残酷さとユーモア、諧謔とエスプリにあふれた短篇の数々によって読者を魅了するサキ。人々の醜聞を次々と暴くため恐慌をひきおこす人間の言葉をしゃべる猫の話。長年憎しみ合ってきた二家族の闘いの果てに訪れる和解を待ちかまえる皮肉な結末。その家柄のものに死が近づくとオオカミの声が四方八方から聞こえてくるセルノグラツ城に、ある冬の夜、長く尾を引く遠吠えが聞こえてきた話など、人間の暗黒部分に肉薄する珠玉の短篇50を収録したザ・ベスト・オブ・サキ決定訳。”（カバー裏紹介文）

目次：
ある死刑囚の告白／猟の獲物／ハツカネズミ／エズミ／トバモリー／ミセス・パクルタイドの撃ったトラ／名画の背景／反安静療法／スレドニ・ヴァシュター／ラティスラヴ／聖ヴェスパルース伝／やすらぎの里モーズル・バートン／クローヴィスの弁舌／運命の猟犬／セプティマス・ブロープの秘密な罪悪／讃歌／グロウビー・リングトンの変貌／メス・オオカミ／ローラ／あけたままの窓／ひと休み／最も冷酷な打撃／ロマンス売ります／シャルツ・メテルクルーメ式教授法／宵やみ／ヤーカンド方式／ビザンチン風オムレツ／禁じられたハゲタカ／休日の仕事／太らせた牡ウシ／話し上手な男／オオシカ／聖マリエさまの日／納戸部屋／毛皮／ルイズ／クリスピナ・アムバリーの失踪／セルノグラツ城のオオカミ／大勢の泊り客／まぼろしの午餐／パーティのクリスマス・イブ／邪魔立てする者／ウズラの餌／ミセル・ペンザビーは例外／ハリネズミ／牡ウシ／ショック戦略／緊急用庭園／ヒヤシンス／四角な卵
訳者あとがき

【ＩＩ】
“どうにも癖の悪い札つきの馬を、それと知らずに娘の婚約者が売りつけてしまう「マレット家のウマ」、人から聞いた珍妙な話を披露して話題の的になった男が、作り話を重ねていくうちに自分の首をしめることになっていく「七番目のニワトリ」、盗癖の噂名高い親戚の準男爵《バロネット》が泊りにくるというので夫妻そろって戦々兢々とする「七個のクリーム入れ」、牧師がでっちあげた古代ペルシャの詩の断片をめぐって滑稽な波紋が生じる「戦争終結の日まで」など、新発見の短篇６つを加えて、熱いアンコールに応えてザ・ベスト・オブ・サキの補遺をお贈りいたします。
ユーモアと幻想、抒情とサタイア、恐怖と奇妙な味、とぼけた語り口とグロテスク、無垢と悪意への妙薬を限りなく洗練された文体に散りばめた心優しきニヒリストで冷笑的なヒューマニスト、サキの全貌が、遂にここで明らかになりました。ご愛用のパイプのように、ウイスキーのようにご愛読いただきたい。”（カバー裏紹介文）

目次：
闇に撃った一発／こよみ／やむを得ない事情／池／宿舎の問題／女性は買物をするか／結婚媒介人／名曲「花かずら」／乳しぼり場へ行く道／メンドリ／ネメシスの祝祭／クローヴィス、親の責任を論ず／覇者のまもり／ペンのストライキ／お気に召したらお買上げを／七個のクリーム入れ／モールヴェラ／罪のあがない／マルメロの木／リアリズム的傾向／七番目のニワトリ／クモの巣／沈没船伝奇／マレット家のウマ／イースターの卵／ハーマン癇癪王／バスタブル夫人の遁走／ガブリエル―アーネスト／アン夫人の寡黙／博愛家と仕合わせなネコ／ルーイス／戦争終結の日まで
解説