1974年 四六判 カバーヤケ、汚れ、イタミ、内側シミ汚れ 小口シミ汚れ
著者が十九歳(一九六七年)から二十五歳(一九七三年)までの間に書いた小説以外の文章の中から、詩人論、作家論、作品論といった類のものを除いたほとんどを収録。
目次:
I
若者たちは無言のノンを言う
政治の季節のなかの青春
われらが怨みの赤い花一輪を植えよ
幸福なんて
II
割りつけられた風俗
怪獣たちはタワーをめざす
ブリジット・バルドー―不滅の肉体
C・ドヌーブはとってもエロだ
石坂浩二―スノッブの栄光
高橋英樹―テロルと肉体とアドレッセンス
ラディカルな笑い―コント55号
視線と肉体―長谷部安春『野獣を消せ』
迷路もローマへ通じるか―『世にも怪奇な物語』
記憶はさらに遠い―老いたジョン・フォードとモンローの死
浪曲子守唄
一過性の都会の青春
十八歳の男の子
III
優しい言葉に……
野坂昭如と二つのエッセイ集・付記―『卑怯者の思想』『日本土人の思想』について
風化の季節
八月の光は幻の……
劇的とは……
魔の空間の虜
パズル・ゲーム
落日のロマン
雪・月・花―伝統について
図書館ぎらい
テンサイは忘れた頃にやって来る
看護婦さんはなぜこわい?
そよ風にのって、風に吹かれて
書いていない時の作家
書かないことの不安、書くことの不安
IV
愛のなかの嫉妬
知的女性
尻軽娘
ワレメ問答
女の怨み
男の美は風をはらみ
子供たちの性
私のなかの変態趣味
ささやかな幸福
欲求不満者たち
性・映像・言葉
V
魂の構造の秘密の海―つげ義春作品集
記憶と忘却―杉浦茂のマンガ
幻惑の土地の向うに―滝田ゆう『寺島町奇譚』について
マニエリスムと美少女―楳図かずおのマンガ
ネクロフィールの世界―井上洋介画集
ユニックな俗悪
一年中マンガ狂いで日をすごし……
マンガを読む理由
VI
処女作の頃
私の処女作
東京に出て来て
なぜ大学へ行かなかったか
なぜ結婚しないか
音痴かも……
酒にまじわれば
パロディ『ヘンゼルとグレーテル』
六月の雨
私のちょっとだけ好きな人
たらちねの……
美しく涙ぐましい季節のおもいで
みどり色の馬車
降誕祭《クリスマス》の匂い
行く方不明のお正月
非所有の所有
あとがき