2006年　Ａ５判　P263　帯背少ヤケ　カバー僅汚れ

“女性が、官立美術学校への入学も、裸体デッサンを描くことも許されなかった19世紀末のパリ。周囲の無理解と批判のなかで、マネやルノワールら印象派の画家たちの友情と、愛する夫の支援を受け、「プロの画家」として生き抜いたベルト・モリゾの自負と情熱。

女性として、妻として、母として、ひとりの芸術家として近代を生きる
「もっとも正統的な印象派」と評された女性画家の、初の本格的評伝。”（帯文）

目次：
まえがき　ベルト・モリゾとは誰か？

第１章　《シモンの家の食事》
　｛画家をめざして／ルーヴル美術館での模写／ルーヴル美術館での出会い／マグダラのマリア｝
第２章　《モリゾ夫人とその娘ポンティヨン夫人、あるいは読書》
　｛母と姉の肖像／マネとの交流／憂いを帯びた女性像／サロンの狭き門／新たなる眺望｝
第３章　《ゆりかご》
　｛エドマとブランシュの肖像／印象派展という試み／サロンとグループ展のはざまで／「近代生活」を描く／モルクールの夏／フェカンでの休暇｝
第４章　《ワイト島のウジェーヌ・マネ》
　｛ウジェーヌ・マネ／オテル・ドゥルオの競売／光あふれる祝婚画／ワイト島での展開／「印象派の旗手」ベルト・モリゾ｝
第５章　《舞踏会にて、扇を持つ女性》
　｛舞踏会の肖像／一九世紀服装のコード／装いの図像／　観る/観られる　／装いの肖像画｝
第６章　《ブージヴァルの庭のウジェーヌ・マネと娘》
　｛ジュリー／ブージヴァルでの暮らし／家族の肖像／第七回印象派展／ブージヴァルの花咲く庭｝
第７章　《ニースの港》
　｛風景画家としてのベルト／「郊外」というテーマ／船のモティーフによる風景画の展開／「風景画」という実験／解放された庭｝
第８章　《ベルト・モリゾの肖像》
　｛画家の自画像／女性画家の自画像／ベルトの自画像／働く女性たちの肖像／決意の表明｝
第９章　《桜の木》
　｛さくらんぼを摘む少女たち／「春」のイメージ／制作過程と新たな作風／モデルの問題／「楽園」のイメージ／羊飼いの少女｝
第１０章　《ジュリー・マネとラエルト》
　｛夫の死／ジュリーとラエルト／ラエルトとマラルメ／ジュリーの肖像／ベルトとジャポニスム｝

あとがき
ベルト・モリゾ年譜
参考文献