1979年3刷 四六判 P211 帯およびカバーヤケ、スレ、少イタミ 裏遊び紙剥がし跡
“ポット、茶碗、皿、テーブル、椅子、戸棚、靴、下駄、アッパッパやジーンズ、嫁入り道具、赤ちゃん用便器、住まい―
「もの」を使うこと、生きることを暮しの場で見つめなおす。生活の発見にみちたみずみずしいエッセイ。”(帯裏紹介文)
“どんなに形が好ましくても、水切れのわるい急須は困りものだ。食器や家具、住まいなどを、使い手の立場から考えなおしてみたい。日本とイギリスの注ぎものくらべ、嫁入り道具への疑問、機械製と手づくりの問題、さらに履きものをぬぐ文化や、“いかもの”がもつ活力について等。生活の豊かな全体性をめざす、生き生きとした現代日用雑器考。”(カバー袖紹介文)
目次:
第一章 日用食器と民芸
1 「垂れること困るです」/2 はこぶ、洗う、拭く、しまう
第二章 雑器を使う者の立場
1 「用」から見て/2 記憶のなかの民芸運動家/3 えらぶことの自由
第三章 注ぎものくらべ―日本とイギリス
1 最下級品のポット/2 『土瓶考』と『ポットの歴史』/3 機械製と手づくりのあいだで
第四章 茶の湯といかもの
1 日本の食器と茶の湯/2 茶の湯批判の書二つ/3 ものを転用する力/4 模倣のなかの創造性/5 高価なものはいいものか
第五章 民芸風建築の未来
1 民芸風建築とは/2 タウトが暮した日本/3 タウトの仮住まい体験/4 都市の住まいが求めるもの/5 農村の住まいの伝統離れ/6 いかもの建築の活力
第六章 履きものをぬぐ
1 その生活文化圏/2 靴をぬぐ暮しのいかもの性/3 ほろびゆく木造小学校/4 履いたままの所、ぬぐ所/5 靴をぬぐ暮しと近代化
第七章 現代の雑器は機械でつくられる
1 「たくみ」工芸店の創始者/2 吉田璋也が気づいた矛盾/3 自然保護と民芸運動/4 工業化社会のなかで
第八章 手づくりが活きる場所
1 嫁入り道具への疑問/2 生命の永い家具/3 昔の家具と暮す―松尾と民芸生活館が示すもの/4 ひとりひとりのために―障害児用の椅子
第九章 女の仕事から男の仕事へ
1 世話をする能力/2 男女分業の不幸せ/3 もうひとつ「公」
あとがき