2009年 四六判 ソフトカバー P189
“私とは、時間とは、空間とは、そして生きるとは何か。これらの謎は古来より哲学者が何千年ものあいだ挑んできた、根源的な謎である。しかし、近代科学の登場とそれに続く科学革命(進化論、相対論、量子論、分子生物学、場の量子論など)により、時間、空間、生命についてのわれわれの常識は覆された。科学的思考で、いまいちどこの根元的な謎に挑む。”(カバー袖紹介文)
目次:
序章
第一章 ミンコフスキー時空を読む
1 虚数iの発見/2 ミンコフスキー時空/3 ピタゴラスの定理と時空長/4 時空長の計算/5 縮退した時空/6 ヒッグス場と時空/7 進行波と後退波/8 非局所性の問題/9 夢と時空/10 非因果領域に隠れていく未来
第二章 主体的意思としての生命―動物について
1 主観の科学的記述の困難さ/2 ツバメの歓喜/3 進化の階層/4 言語は主体的意思の担い手たりうるか/5 自己意識の進化と大脳のモジュール群/6 自己意識は主体的意思の担い手たりうるか/7 すべての動物は主体的意思を持つ/8 快・不快を基準に行為する主体的意思
第三章 主体的意思としての生命―バクテリアについて
1 生命の歴史的階層性/2 五つの王国/3 生命の代表としてのバクテリア/4 自然選択と自由経済/5 プログラムされた死/6 植物の主体的意思について/7 主体的意思と快・不快
第四章 非平衡熱力学系と主体的意思
1 熱力学/2 平衡系とエントロピー増大の法則/3 オンサーガーの相反定理/4 非平衡熱力学系/5 生命は主体的意思を持つ非平衡熱力学系である/6 生命誕生の困難さと必然性/7 散逸構造・複雑系・オートポイエーシス/8 複雑系システムから主体的意思へ
第五章 主体的生命原理と創造的宇宙
1 有時―道元の悟り/2 グラディエント・ベクトルとしての主体的意思/3 ミンコフスキー時空の時間軸に沿った「動き」/4 三すくみのジレンマ/5 最小作用の原理と経路積分/6 最大傾斜の原理/7 主体的な生命原理と自由意思宇宙の創造
あとがき
参考文献