2015年初版 四六判 ソフトカバー P218 帯付 カバー上端少イタミ
“カトリックのフランス、儒教の韓国、そしてなんでもありの日本 まったく違った〈あの世〉と〈この世〉を生きているはずの3つの国の人たちでも、この世に生まれて、やがてあの世にいくという構造はおなじです
神と妖怪、幽霊とご先祖さま、いろいろとかたちを変えてあの世とこの世を生きる、私たちの〈人生〉を考えます”(帯文)
“日本・韓国・フランスの民話や民間信仰のなかの〈異郷〉を読み解き、妖怪・幽霊・神・祖霊を語り伝えてきた物語の構造と世界観をさぐる、比較民俗学の試み。”(帯裏紹介文)
目次:
第I章 民話のなかのふしぎな世界 町と村と森と山
{1 遠野物語と魔法民話の構造…〈村→森→村〉という基本パターン/2 青い聞耳頭巾…〈村→森→町〉というパターン/3 シンデレラと青ひげ…〈村→町〉というパターン/4 ハーメルンの笛吹き男と山寺の怪…〈町〉だけというパターン}
第II章 ふしぎな世界の住人たち 妖怪と幽霊と神
{1 妖怪と幽霊/2 民話のなかの妖怪/3 ゲゲゲの鬼太郎戸オバケのQ太郎}
第III章 韓国の神・妖怪・異郷 奄尾里の民話「黄判書」
{1 ソウル近郊の村・奄尾里の語りを聞く/2 村の境を守る神…チャンスンとソナン神/3 韓国の妖怪・トケビのはなし/4 「黄判書」…ふしぎな世界の時間と空間/5 「黄判書」の構造/6 パラレル・ワールドの二つの王国/7 語り手の世界観と語りの構造/8 もう一つの語り…「金政丞と李政丞」/9 まとめ}
第IV章 韓国人の霊魂と悪霊のゆくえ
{1 ご先祖さまとの暮らし/2 お墓と祖霊/3 死者のたたり/4 魂の通過儀礼/5 気まぐれな祖霊たち/6 トケビとともに生きる}
第V章 フランスの来訪神
{1 訪れる神々の民話/2 神を迎え、神を送る民族/3 冬まつりのサイクル/4 春祭りのサイクル/5 フランスと日本の来訪神の基本構造}
第VI章 クリスマスとカーニヴァル 神の訪れを祝うふたつの祭り
{1 サンタクロースに会うために/2 サンタクロースがいっぱい/3 ベルギーの町バンシュのカーニヴァル/4 ジルたちの一日}
まとめ―比較民俗学とはなにか―