2012年　四六判　P259　帯僅汚れ

もともとは時宗に属する空也念仏の集団を意味し、やがては雑賎民を指すようになった「鉢叩き」という言葉を入口として、そこから良寛・芭蕉という二人の足跡、俳風に影響を与えた人物や思想などについて分け入ってゆく論考。

目次：
序章　鉢叩きの残像　露風から良寛、芭蕉、そして長嘯子へ
　はじめに／良寛の俳句との類似性／良寛と芭蕉／鉢叩き／芭蕉と長嘯子／露風、良寛、芭蕉、長嘯子の関係／露風の詩のもつ意味／おわりに

第一章　良寛の謎を解く
　良寛の法妹、義堤尼／義堤尼の位牌発見／良寛、義堤尼　和歌の素地／義堤尼の本墓発見／義堤尼出家の動機／真如亭即事の詩／彊斎儒学の道へ／良寛鉢叩き説／良寛放浪の旅へ／赤穂、貞心尼／出発点をふり返る

第二章　芭蕉の謎に迫る
　キーワード／芭蕉と乞食／路通／支考／惟然と鉢叩き／路通、支考、惟然、三人の共通点／鬼貫との関わり／盤珪との関わり／芭蕉と長嘯子／荘子、惺窩との関わり／芭蕉から惟然、一茶、そして露風へ／露風と鬼貫／露風／芭蕉の謎に迫る／一本の柱

第三章　芭蕉の謎を解く
　一　藤堂高虎と脇坂安治の関係　｛七つの場面／藤堂高虎と脇坂安治の出生｝
　二　芭蕉の謎を解く　｛姜《さんずい＋亢》と惺窩、広英がもたらしたもの／芭蕉出生の秘密／謎を解く／看羊録｝
　余談

あとがき
資料
参考文献