1970年2刷 B6判 P172 全体に経年によるヤケ、時代シミ、汚れ、湿気による若干の歪み カバースレ、端イタミ 遊び紙剥がし跡
“…本書においては、村落を中心として、これと関連の深い地方核心集落の若干についても論及した。日本の集落は、その景観の上にも、風土の特性をよく具現しており、歴史の古さや社会生活とのつながりなどをよく示しているが、新しい世代への生活の本拠として、その合理的なあり方などについて検討さるべき点が多い。そのためには、われわれの生活の本拠であり、活動の舞台である集落とその環境についての正しい理解が必要であろう。…”(本書「はしがき」より)
目次:
はしがき
序説―日本の集落の現状と研究の視点―
I わが国における集落研究の系譜
1 戦前における集落研究のあゆみ
2 戦後における集落研究の展望
II 集落形成の地理的基礎
1 わが国の風土と集落の多様性
2 集落形成の社会的基礎と歴史的背景
III 集落の成立と発展に関する諸問題
1 先史時代の居住地域 {A 先史集落の地理的視点/B 人類居住の萌芽/C 先史集落の成立と発展/D 居住地域の指標としての貝塚/E 農耕の発生と居住の定着/F 先史時代の生活圏の考察}
2 古代の村落 {A 古代における居住地域の展開/B 条里制とその遺構/C 環濠集落の形態と集落構成の特性}
3 中世の村落 {A 中世における居住地域の展開/B 荘園村落の成立とその特性/C 根小屋集落/D 中世の村落と地方町との関係}
4 近世の村落 {A 近世における居住地域の展開/B 画期的な新田開発/C 新田集落の形態と集落形成の特性/D 近世の村落と地方都市との関係}
5 近代の村落 {A 明治以後における居住地域の展開/B 自然村と行政村/C 屯田兵村の成立とその役割/D 第2次世界大戦後における農山漁村の変貌/E 郊村の発達とその役割}
IV 集落景観に関する諸問題
1 集落景観の構成要素と地理的視点
2 集落景観の類型的特性 {A 集村と散村/B 塊村と列村}
3 集落景観にみられる地域性の把握 {A 地域性の指標としての集落景観/B 民家の家具にみられる地域性/C 気候景観としての防風林/D 土地割と宅地の利用}
V 集落の立地に関する諸問題
1 集落立地の地理的視点
2 わが国の諸地域における集落立地の態容と特性 {A 沖積平野/B 台地・扇状地・裾野などの集落立地/C 山地の集落立地}
VI 集落の機能に関する諸問題
1 機能からみた村落の諸類型
2 農山漁村の変貌 {A 農村の近代化への動き/B 山村の生活様式の変化/C 共同体意識の強い漁村と近代化へのあゆみ}
3 村落共同体としてのわが国の村落特性
VII 村落と地方核心集落との関係
1 地方核心集落の諸類型
2 谷口集落の成立とその背景
3 関東西部山麓地帯の谷口集落 {A 谷口集落の分布/B 谷口集落の発達過程/C 谷口集落の機能/D 谷口集落の相互関係/E 谷口集落の景観上の特質/F 谷口集落の後背地と現在の役割}
結語