2008年 四六判 P238 カバー僅スレ 帯付
“サンカと犯罪の相関関係を克明に解明する。
柳田國男の「平穏な職能民」と鷹野弥三郎の「犯罪集団」の視点を超えるサンカ論。”(帯文)
目次:
はじめに
第一章 甲府郊外・凶賊の捕縛
1 暗夜の荒川土手/2 山窩と称する浮浪者/3 「神田の松」こと小針久右衛門/4 甲府・竹の鼻の今昔/5 黒装束五人組の裁判
第二章 去来風の如し
1 郡民は一日として安眠できず/2 明治・大正新聞事情/3 望月紫峰著『関東兄イ』/4 晩秋の相次ぐ凶行/5 六十件余の強盗、強姦、窃盗
第三章 刑事、山窩の群れを追う
1 路上の暗号/2 白髯の老翁と割り竹の仕掛け/3 大塚刑事は、なぜ捜査に加わったか/4 山窩になりすまして犯人を追跡/5 セブリからセブリへ
第四章 御坂峠の学生と僧侶殺し
1 警察と団蔵の取引き/2 女二人の役割と軽すぎる量刑/3 山賊さながらの凶行/4 団蔵、犯人を名指しする/5 「三河無宿非人、籠屋の熊」
第五章 死刑執行後に真犯人現れる
1 前原千代松巡査の殉職/2 肉親の証言が有罪の決め手になる/3 密告者はどちらか/4 「法印の磯」こと川村幸治郎/5 沢辺長吉、刑を免れる
第六章 下谷万年町二丁目六〇番地
1 山口団蔵の生い立ち/2 東京の「三大貧民窟」の一つ万年町/3 もとは乞胸と願人の街だった/4 『都新聞記者』の取材/5 浮かび上がる「群馬グループ」
第七章 明治と平成を結ぶ糸
1 三角寛著『サンカ社会の研究』/2 松島ヒロの本籍と子供のこと/3 なぜ戸籍謄本を手にできたか/4 松島ステの内縁の夫/5 政次郎の出自と犯罪
第八章 東日本の箕直し
1 村落社会を回避する職能民であった/2 関東の山窩は箕直しを指していた/3 甲府・竹の鼻住民の生業/4 「武蔵野の漂泊民族」/5 柳田國男と鷹野弥三郎
第九章 漂泊の民サンカの生活
1 静岡県内房村事件/2 伊豆山中で穴居生活/3 しばしば洞窟を住まいとした/4 生業、生態の地域差
おわりに