昭和49年 四六判 P246 帯破れ 函時代シミ多 本体表紙背ヤケ、時代シミ 巻頭数ページ端時代シミ
“通過儀礼にみられる成長と脱皮のプロセスは? シャーマンの神がかりとは? 修験道の儀規にみられる変身の論理は? ユニ・セックス的ファッションはなぜ流行するのか? ヨーガの心身変容の意味は? ヨーロッパの人狼信仰とは? 伝説や文学の中で人間はいかにして自分から抜け出たか? ―古今東西の変身願望を考察し、「ヘンシン」ブームの意味とその象徴するところを探る。”(帯文)
目次:
【I 変身のフォークロア】(桜井徳太郎)
1 はじめに―民俗学で変身を考えること―
{(1)何が変身なのか/(2)変身の問題を考える立場/(3)民俗的変身の意味するもの}
2 変身の民俗
{(1)変態と変身/(2)冠婚誕にみる変身/(3)宗教的変身の実相/(4)変身のシャマニズム/(5)民話のなかの変身}
3 変身の構造
{(1)ホンネとタテマエ/(2)ハレとケの構造/(3)死と再生/(4)化身と権現と本地垂迹/(5)人格変換と変身}
【II 人格変換と憑依体験】(小野泰博)
1 変身の諸相(ホモ・メタモルフォーシス)
{(1)遊びの世界の変身/(2)「実」と「虚」/(3)マンガ・テレビの世界/(4)神話の世界/(5)メルヘンの世界/(6)変身信仰のもとにあるもの/(7)ロマンの世界}
2 人格変換型変身―人狼と魔女
{(1)メルヘン型変身から人格変換型変身へ/(2)人狼信仰の二側面/(3)民間信仰としての人狼/(4)人狼信仰の事例/(5)変身のテクニック/(6)魔女裁判/(7)心的異常としての人狼/(8)人狼と吸血鬼(vampire)/(9)スケープゴートとしての人狼}
【III 霊と肉の変身】(山折哲雄)
1 幻想と霊魂の世界
{(1)仮面と素面/(2)呪縛を解くイメージ/(3)浮遊する霊魂/(4)歌舞伎・能にみる変化}
2 変身願望と原型志向
{(1)仮面による儀礼/(2)仮面の効能/(3)原型志向の思想/(4)レヴィ=ストロースの方法}
3 肉体を変える試み
{(1)神話と伝説の中の肉体的変身/(2)錬金術/(3)心身の相関/(4)ヨーガと禅定}
【IV 修験道の峰入に見られる変身の論理】(宮家準)
1 修験道の峰入
{(1)山伏と変身/(2)峰入の歴史/(3)峰入の種類}
2 冬の峰と変身
{(1)晦日山伏の修行/(2)羽黒山の冬の峠}
3 秋の峰と変身
{(1)大峰山の入峰修行/(2)羽黒山の秋の峠}
4 変身の過程―峰入の思想
{(1)山伏の衣体/(2)十界修行―即身成仏への道/(3)峰中のでの正灌頂}
5 変身の意義―柱源護摩
{(1)柱源護摩の内容/(2)柱源護摩の意味}
結 修験道の峰入における変身の意味
解題(藤井正雄)
参考文献