1992年3刷 四六判 P447 帯背僅ヤケ 本体元パラ1ヶ所に3ミリ程度の穴 遊び紙少剥がし跡
“「福神」とは人類の幸福を求めようとする思想の発露で、時代・社会により常に発達・変遷してきた。本書は「福神」民族研究・社会研究上のもっとも興味ある問題の一つとして、その成立と沿革、意義を考察したものである。”(帯文)
目次:
福神沿革概説
{緒論/狩猟漁業時代の福神/農業時代の福神/漂泊民の福神/動物崇拝と福神/印度伝来の福神/支那伝来の福神/地主神と福神/七福神の成立/結論}
宇賀神考
{諸言/神書に見ゆる我が宇賀神/印度の神として信ぜられた宇賀神/宇賀神と狐神/結論}
「倉稲魂」と書いて「ウガノミタマ」と読むことの考
大黒・夷二福神並祀の由来―夷神と三郎殿との混同―、―大黒と夷神との入替り―
七福神の成立
{諸言/七福の由来/七福神の選択/七福神の性格/福神の異同/結論}
夷三郎考
{諸言/夷と三郎との異同に就いて/夷神信仰の興隆/西の宮夷社の祭神を蛭子なりとする説/往時の夷神は大国主神にしてその西の宮の社は武内大国主命西神社なるべきこと/三郎殿付事代主なるべきこと/南宮は建御名方の神なるべきこと、附、その他の諸夷神のこと/夷神信仰の変遷/約説、附、余説}
夷三郎神像考
大黒神像の変遷
{諸言/南海寄帰伝式の半跏像/大黒天神法式の負袋像/槌及び俵を伴える負袋像/荷葉上に拳を握れる矮身像/前両式の折衷像/三面大黒像/桶様の物を戴ける異態像、附、日光走大黒像/約説}
大黒神像
{諸言/闘戦神としての印度の大黒天像/食厨の神としての印度の大黒天神の我が大黒天神/附大黒舞のこと}
毘沙門天王考
{護国の神としての我が毘沙門天王/福神としての我が毘沙門天王}
弁才天天女考
{諸言/仏教上の弁才天女/竹生島弁才天の研究(上)―竹生島神社の祭神/竹生島弁才天の研究(中)―竹生島明神と弁才天/竹生島弁才天の研究(下)―竹生島明神と宇賀神/弁才天女と宇賀神との習合/結論}
福禄寿・寿老人考
{南極老人と福禄寿/南極老人と寿老人}
福神としての布袋和尚 附 寒山拾得の二隠仙
吉祥天女考
福神としての猩々
摩多羅神考
{諸言/日吉山王権現と摩多羅神/赤山明神と摩多羅神/東寺の夜叉神と摩多羅神/太秦牛祭と摩多羅神/結論}
荼吉尼天と福大明神
道祖神と書いてサイの神と読むことの考
千秋万歳と大黒舞附猿舞わし―正月の門づけ―(岩橋小弥太)
笠島道祖神の研究(中西利徳)
{実方中将の伝説/笠島道祖神と岐神/式内佐具叡神社と道祖神/道祖神と陰陽崇拝/実方伝説の蔭に潜める事実/余談}
宝船(田中緑紅)
{宝船の起原/宝船の用途/宝船の変遷/現存の宝船/結語}
三都の七福神廻り(田中緑紅)
福を求むるの心(磯谷才治郎)
支那における福の神の俗説(那波利貞)
歳首における招福の行事(江馬務)
{諸言/正月の飾物/正月の行事/結語}
三河地方における福神信仰の状態(加藤巌)
福神としての泰山府君(西田直二郎)
松竹梅と蓬莱山(高橋健自)
解説(山田野理夫)