1995年初版　Ａ５判　P443　カバー背上端僅イタミ

「ニュートンが遺した膨大な錬金術手稿を精細に読み解き、その知られざる世界観を明るみに出すとともに、十七世紀の知的風土の中に正当に位置づけた思想史・科学史研究の傑作。本邦初公開。」（宣伝文）

目次：
前書き
第一章　「緑のライオンを求めて」　（序／略伝／ニュートン錬金術の歴史／研究の資料と手法）
第二章　十七世紀錬金術の思想的背景　（序／往古の錬金術の性質とその経済論的昨日―ユングのモデル／物質と精神の関係／往古の錬金術の変化／錬金術と機械論哲学）
第三章　十七世紀錬金術―その内的発展と宗教・哲学・自然哲学としての関係　（錬金術と教義宗教／錬金術書出版の高まり／錬金術・機械論・改革／ハートリブ派とその化学的錬金術／世紀中葉の梗概ならびにプレヴュー／結論）
第四章　ケンブリッジにおける化学と錬金術　｛歴史的問題／アイザック・バロウ（一六三〇−七七年）／ヘンリー・モア（一六一四−八七年）／「Ｆ氏」（一六三三−七五年）／大きなサークル／若きニュートンの化学｝
第五章　最初期のニュートン錬金術―一六六八−七五年　（序―手稿資料／金属の「水銀」―初期の処方／湿式で抽出される「水銀」―第一の実験／乾式で抽出される「水銀」―第二の実験／アンチモンの星上レグルス／異なった五つの方法による星状レグルス―第三の実験／金属の形成と生成に関するセンディウォギウスの理論／網―第四の実験／アマルガム法―第五の実験／惑星の変容―方法論瞥見／鍵―ケインズ手稿一八／大きなサークル／結論）
第六章　ニュートンによる錬金術と機械論の変容　（序／「一なる普遍的物質」とその変成／ニュートンの物質的エーテルと媒介の概念に関する詳説／新しい力の概念の創造／ニュートンの成熟した化学思想／金属変成／結論）
エピローグ

巻末に原註、図版、付録Ａ　アイザック・ニュートン卿の錬金術文書、付録Ｂ　星状レグルス製造をめぐるニュートンの小論、付録Ｃ　「鍵」―ケインズ手稿一八　ラテン語原文と英訳、付録Ｄ　ニュートンの錬金術研究に関する時代区分私案、主要文献目録、主要人名索引を収録