1971年初版 新書判 P249 全体に経年によるヤケ、汚れ ビニールカバー少イタミ ページ下角少折れ跡
“戦後歌壇を蔭で演出した著者が回想的に綴るもう一つの戦後短歌史”(帯文)
“推薦のことば
『虚無への供物』のあと、しばらく沈黙していた中井英夫の近ごろの活躍が目立つ。しかし、この異才が短歌雑誌の編集に十二年間たずさわっていたときに、塚本邦雄・葛原妙子・春日井健・寺山修司・中城ふみ子・浜田到といった異才を世に出したことは、あまり知られていない。彼がなにを考え、どう振舞っていたか、旧いつき合いの私もよく知らなかった。彼はけっして表面に立たないようにしていたわけで、つまい黒衣(くろご)のその時期を書いたのが、この書物である。 吉行淳之介”(帯裏紹介文)
目次:
はじめに
二十代について
昭和二十年〜二十三年
{第二芸術論の意味―『八雲』と木俣修―斎藤茂吉の絶唱―新歌人集団の活躍―『人民短歌』のこと―無名の集団}
昭和二十四年〜二十五年
{歌壇の秩序について―作品の多すぎる歌壇―「色彩と夢」―当時の新人たち―葛原妙子の登場―戦後派の退潮について―笠井正弘のこと―『青炎』と『工人』―『女人短歌』と片山広子―歌人の選歌について―茂吉の歌稿}
斎藤茂吉・窪田空穂両先生をお尋ねして
さよなら一九五〇年
大谷友右衛門丈と語る―短歌と歌舞伎と―
短歌に関するアンケート
第三の世界―笠井正弘君の手紙から―
独創について
隕石と極楽鳥
職場短歌ルポルタージュ―日本製鉄―
海外の短歌雑誌
昭和二十六年〜二十七年
{岡麓の死―「女人の歌を閉塞したもの」―土屋文明と『アララギ』選歌―『帰潮』と『晩夏』―「局外批評」について―前田夕暮と「わが死顔」―塚本邦雄の登場と『前衛短歌の反省』―岡井隆と寺山修司―中堅歌人たち(坪野哲久ほか)―斎藤正二のこと}
とらんぷ
前田夕暮先生との一時間
南原総長と短歌
歌人印象記
歌人文体模写
歌壇鬼語
昭和二十八年〜二十九年
{茂吉と迢空の死―高尾亮一―歌壇の改革―『多磨』の分裂―新歌壇地図―清新な抒情(高安国世ほか)―『未来歌集』と田谷鋭―中城ふみ子と寺山修司の登場―中城の死をめぐって―石川不二子の魅力―「十代」の進出―上田三四二と菱川善夫―外の歌壇と内の歌壇}
光の函
送風塔
無用者のうた(1)
十代について
唖の唄
昭和三十年以降
{寺山攻撃とネフローゼ―相良宏の死―杉山正樹の活躍―前衛短歌の興隆―青年歌人会議―岸上大作のこと―新人の氾濫―清原日出夫ほか―春日井健「未青年」―浜田到の登場と死―無意味の意味―村木道彦と実朝}
無用者のうた(2)
火星植物園ほか
おわりに
墓の前で