1995年初版 A4判 P239 帯および筒函ヤケ、端イタミ 帯上端少破れ P233上角少裁断ミス
“西洋からの贈り物カステラは、なぜ和菓子として結実したのか。
十六世紀、日本人とポルトガル、スペイン人との出会いを、カステラを核に壮大かつ精緻に描く、スペクタクル食物文化史。”(帯文)
第1部 カステラのルーツを訪ねて
ポルトガルからの手紙(粟津則雄)
カステラのルーツ、ビスコチョをめぐる旅(田尻陽一)
お菓子の歴史のなかのパン・デ・ロー(ヴィットール・モレイラ)
香辛料とポルトガル料理(マリア・ダ・グラサ・ペリカン)
イベリア半島にパン・デ・ローとビスコチョを訪ねて(編集部)
中世から近世の西欧菓子事情「遥かなる甘き移ろい」(吉田菊次郎)
大航海をになった資本(中丸明)
世界地図の中の日本、日本の中の世界地図(三好唯義)
中世の食卓(中丸明)
十六世紀、イベリア民族のみた夢と挫折(牛島信明)
極西、エクストレーム・オクシダンが生まれた日(辻邦生)
第2部 カステラ・ロード
日欧食文化の出合いと変容(山内昶)
中国菓子と南蛮菓子(周達生)
十五、十六世紀のアジアにおける砂糖製法と日本での消費拡大(クリスチャン・ダニエルズ)
十六、十七世紀のゴア、マラッカ、マカオ(松田毅一)
東南アジア・東アジアにおけるポルトガルの貿易活動(生田滋)
クルスとシルク(岡泰正)
時代の最先端、南蛮ファッション(丹野郁)
カステラと私(千宗室)
民衆と南蛮渡来のものたち(田中優子)
第3部 カステラ誕生
カステラの生まれた自由交易都市、長崎(安野眞幸)
カステラと村山等安(村松友視)
長崎という都市の特殊性(中村質)
日本の小麦粉事情(岡田哲)
長崎の砂糖(松浦豊敏)
カステラを焼く(山口昌伴)
南蛮菓子あれこれ(鈴木普一)
長崎カステラ(中西啓)
かすてら考現学(赤瀬川原平)
南蛮料理探検家として(荒尾美代)
遥かなる異国 南蛮文学とモダニズム(海野弘)
福砂屋のカステラ(高橋克彦)
座談会 カステラは洋菓子か、和菓子か(鈴木普一、中西啓、山内昶、佐藤康明)
カステラの福砂屋(佐藤康明)
Bibliography 書籍、資料にみるカステラの変遷と広がり
文献からひもとくカステラの歴史(江後迪子)
カステラの三素材、砂糖、卵、小麦粉(鈴木普一)
大航海時代を読み解く人物略誌
Chronolgy 歴史略年表―大航海時代の胎動から「鎖国」まで
あとがき(殿村高司、殿村僚笥)