2009年初版 四六判 P413 カバー少スレ、端僅イタミ
歴史上の記録や社寺関連の文献、記紀の記述などの資料をもとに、「穢」という観念・制度について考察する。
目次:
【第一部】穢とは何か
第一章 穢とされる事象 {一 人間の死穢/二 人間の産穢}
第二章 穢とされるその他の事象 {一 穢の伝染経過/二 穢の伝染と閉鎖空間/三 解放空間と穢}
第三章 穢の伝染と空間 {一 穢の伝染経過/二 穢の伝染と閉鎖空間/三 解放空間と穢}
第四章 物・水・火と伝染 {一 物と伝染/二 水による伝染/三 火事と伝染}
第五章 穢の本質 {一 秩序と穢/二 穢を巡る社会関係/三 着座飲食の意味/四 家を巡る社会関係/五 穢からの家の防御/六 家と首実検}
第六章 秩序と穢 {一 秩序とは/二 天皇・神物と穢/三 天皇への反逆/四 神聖冒涜/五 穢の結果/六 触穢の決定}
第七章 内裏・宮都・天下 {一 内裏と神社/二 内裏の範囲/三 宮都と穢/四 天下穢・世間穢/五 穢の予防/六 儀式を遂行するための便法}
第八章 穢の知覚と穢の観念の変化 {一 穢の近く/二 触穢の責任と罪の観念/三 穢の観念の起源/四 柔構造としての穢の観念/五 サンクションとしての穢の観念}
【第二部 社会的排除と穢れ】
I 穢れ観と中世社会 {一 穢の中世的特質/二 穢に触れた人びと/三 穢の観念と差別/四 不可触の諸相/五 社会集団の対抗}
II 仏教と穢 {一 〈形義〉という言葉/二 僧侶の肉体的要件/三 極楽往生と五体満足/四 宗教の肉体観/五 秩序の比喩としての肉体/六 国家仏教と穢/七 仏教における穢の克服}
III 検断と祓 {一 犯罪と財産没収/二 犯罪と穢/三 祓と犯罪}
補論 血讐と処刑
【第三部 大祓】
第一章 穢と大祓 {一 記紀と大祓/二 臨時大祓の理由/三 臨時大祓の行われる祭}
第二章 罪と災い {一 天津罪・国津罪/二 災いと罪/三 古代ギリシャの罪と穢/四 神と災い}
第三章 大祓の意味 {一 大祓の目的/二 悪祓・善祓/三 六・十二月晦日の大祓/四 恒例大祓と秩序}
第四章 平安京大祓のトポロジー {一 平安京成立以前/二 平安京大祓の場}
あとがき {平凡社版あとがき/あとがき}
初出稿一覧
付属資料
付表