1989年初版 A5判 P349 カバーキズ、端少ヤケ、少イタミ 裏遊び紙ラベル剥がし跡
東インドネシア、エンデ族の認識論、ギァーツの解釈学的方法を適用したグァテマラのマム族の時間表象分析、ボリビアのエセエハの神話の分析を通じたレヴィ=ストロース批判ほか、さまざまな地域を、さまざまな観点・方法で論じた人類学の論考を収録する。
目次:
序文
I 象徴論的解釈の危険性あるいは恣意性(板橋作美)
{はじめに/一 ミクロネシア・ヤップ島/二 メキシコ・シナカンタン村/おわりに}
II 不幸の出来事 不幸の語りにおける「原因」と「非・原因」(浜本満)
{一 災因の非・原因性/二 ザンデ族の「妖術」の語り/三 「表情」についての語り/四 「原因」によって語られるもの/五 物語の物象化/おわりに/補論―「いかに原因」と「なぜ原因」
III 東インドネシア、エンデ族における知識の経済学(中川敦)
{序/一 社会学と経済学/二 認識論/三 経済学の一分野としての認識論/結論}
IV マムの時間象徴 グアテマラの事例と文化分析の一方向(小泉潤二)
{序/一 キーフとタハラル・キーフ/二 アブキーの循環/三 人の観念/結論}
V 火・動物・結婚 エセエハ口頭伝承論(木村秀雄)
{一 レヴィ=ストロースの神話研究/二 シカの物語/三 動物の起源/四 火・科学・破壊/五 結婚・姻族関係/六 結婚・火・動物起源/七 エドシキアナ/おわりに}
VI ニューギニア・ドリーミング―ファス族の夢について―(栗田博之)
{一 民族誌的背景/二 夢の理論、病気の理論/三 ナマの夢/四 ニューギニアにおける夢の問題}
VII 象徴空間としての王都の構造―アフリカ・バムン王権社会の動態的象徴論(和崎春日)
{はじめに/一 王都の「ウチ・ソト」の区別からみた都市性-都鄙の不連続性/二 王都の象徴空間/三 イスラム都市としての象徴性/四 都市―村落関係と象徴空間/むすび―都市動態的象徴論}
VIII 魔性の時とメタモルフォーシス
{まえがき/一 境界性と時間/二 産婦を火で温める/三 火の宇宙誌/四 メタモルフォーシス/むすび}
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