1996年 新書判 P218 カバー背上端少イタミ
“ヨーロッパ中世を血の色に染めた狂熱の炎。徹底的に排除され裁かれた「異端」の脅威とはとは何か。史料を渉猟し、キリスト教社会の闇に迫る。”(カバー紹介文)
目次:
第一章 薪と硫黄の匂い―異端審問とは何か
{ボヘミアのフスの処刑/「異端者として焼け」/死骸を焼き尽くす/アウトダフェ/恐るべき見世物/火刑台で悔悛/異端審問とは何か/異端審問の教科書}
第二章 剣と火と異端者―異端審問の誕生まで
{創設期の記憶/オルレアンの火刑台/異端の時代の開幕/清貧運動/ワルドー派と千年王国系諸派/悪魔の下僕/異端の人々/背徳の饗宴/異端審問官気質/何が正統で何が異端か/追随者の大群/異端カタリ派/帰依者《クレデンテス》たち/カタリ派の出現/教会の危機感/ドミニコ会のはじまり/「すべて殺せ」/地獄図絵/異端審問への道}
第三章 異端審問総説の頃
{トゥールーズ教会会議/裁判か審問か/異端贔屓/トゥールーズのドミニコ会士/狂熱の独走/コンラート・フォン・マールブルク/三人組の悪夢/グレゴリウス九世の勅令/ロベール・ル・ブーグル/「袋に詰めてタルンに投げ込め」/嘘を吐くから正統だ/死骸の断罪/執政対ドミニコ会/ドミニコ会の追放/一触即発の危機/贖罪の巡礼/アヴィニョネの惨劇}
第四章 異端審問の制度化
{ナルボンヌの騒動/熱狂から組織化へ/法整備のはじまり/一連の南フランス教会会議/記録を義務づける/法王庁の態度/法学と神学/異端審問の著作/手引書の数々/『異端審問の実務』}
第五章 審問官ベルナール・ギー
{「薔薇の名前」/ギーとはどのような人物か/院長の職務/反ドミニカンの嵐/使徒といえども/コアック、コアック/記録魔/つかみにくい実像/ギーの異端審問/司教としてのギー/意志と秩序}
第六章 裁かれる者たち
{審問の記録/司教ジャック・フルニエ/偽使徒派とベガン派/カタリ派の再生/ジョッフロワ・ダブリの探索/訊問の順序/ピエール・オーティエの捕縛/ベルナール・クレルグの場合/カルカッソンヌの審問塔/法廷の攻防/拷問と陳述/拷問の手順/審問官の勝利/調書と手続き主義/総説教《セルモ・ゲネラリーズ》/判決の後}
第七章 スペインの火刑台
{聖庁《サント・オフィシオ》/ユダヤ人とイスラム教徒/異教徒と異端者/「豚を食せざる者」/お身内の衆/身元証明/犠牲者たち}
参考書目抄
あとがき