1989年　14.4×22.1　P270　表紙クスミ、背少ヤケ、上端少イタミ　小口少シミ汚れ

全270ページのうち特集203ページ

目次：
世紀末的魂と夢（2）　クリスタルマン（富士川義之）
「女学生」の系譜（2）　髷からの解放（本田和子）
耳目抄（86）　柿の別れ（竹西寛子）

誌｛「私のお父さん」大野一雄に（高橋睦郎）／浜辺に枝（中川千春）｝

ファシズムを生きた人々（13）　Ａ・ブラゼッティ　体制の中の映画作家（田之倉稔）

【特集　ピンチョン　現代アメリカ最大の問題作家】
　問題作「重力の虹」一挙百二〇枚掲載｛〈電球〉バイロンの物語」　『重力の虹』その一（Ｔ・ピンチョン　訳：佐伯泰樹、越川芳明）／「〈電球〉バイロンの物語」解説（幡山秀明）／迷走するロケット、舞う〈天使〉、地を這うドードー　『重力の虹』その二（Ｔ・ピンチョン　訳：植野達郎、越川芳明）／「迷走するロケット、舞う〈天使〉……」解説（幡山秀明）／コンサイス版『重力の虹』（志村正雄）｝

　WHO IS THOMAS PYNCHON{ドゥ・イット・ユアセルフ・ピンチョン・キット―ピンチョン神話をめぐって（柴田元幸）／生録ピンチョン　一九六九年の手紙から（佐藤良明）｝

　青春｛ファリーニャのいた頃（Ｔ・ピンチョン　訳：伊藤貞基）｝
　愛｛永遠の心の誓い　マルケスの『コレラの時代の愛』によせて（Ｔ・ピンチョン　訳：若島正）／《愛》の文学（宇波彰）｝
　歴史｛歴史とラッダイト的想像力（宮本陽一郎）
　『Ｖ．』について｛『Ｖ．』の航時性について（池澤夏樹）／Elle s'est passee…　『Ｖ．』の「道」を一緒に歩いてみよう（高山宏）｝
　『競売ナンバー49の叫び』について｛悪意、どこから、どこへ（富山太佳夫）｝
　『重力の虹』について｛トマス・ピンチョンと夢の構造（平石貴樹）｝
　ピンチョンのルポルタージュ｛ワッツの心への旅（Ｔ・ピンチョン　訳：小川博三）｝
　アメリカ文学史におけるピンチョン｛ピンチョンとアメリカ文学（杉浦銀策）｝
　ピンチョンと現代文学｛高度資本主義社会における文学―ピンチョンと村上春樹、村上龍、高橋源一郎（植野達郎）／勝手にしやがれ　ピンチョンをめぐる現代作家たちの言説（越川芳明）｝
　ピンチョンと現代世界｛徹底討議　パワフル・リテラチャー―世界帝国の文学（浅田彰、佐藤良明、巽孝之）｝


アメリカ文学の現在　漫才師《コメディアン》が老人小説を書くと、どうなるか？（越川芳明）／フランス文学の現在　文学はエイズを超えるか？　フェルナンデス『パーリアの栄光』（芳川泰久）／ドイツ文学の現在　「匂い」のクライノート　ジュースキントの『香水』（河野みどり）／ラテンアメリカ文学の現在　リョサの新作「官能小説」　『義母礼讃』（野谷文昭）／中国文学の現在　共和国の興亡と文学　巴金・柏楊（藤井省三）／幻想通信　ラヴクラフトをめぐる一年（大瀧啓裕）／新しいＳＦの海図　Ｊ・Ｇ・バラードのアメリカ　英米ＳＦの分岐点（巽孝之）

今月の作品（吉増剛造）　｛輝土未来／岩瀬由紀子／来住野恵子／賀家嘉基／夢裡聖路／小野塚直洋／小笠原豊次／塚野恵子／小島恵子／植野岑三／結城富宏／平山満｝
われ発見せり　バルベーからゴビノーへ（中条省平）