1990年初版 菊判 P502 帯背僅スレ、上端僅イタミ 本体元パラ少イタミ 月報付
“〈つきもの〉とは、かつて神として祀られていた動物霊が零落し、特定の家において飼い養われているものを指す。その動物霊は家の主人の命令、もしくはその意をくんで他人に憑依し、病気や死をもたらすものと信じられていた。ここからたたりがうまれる。つきものの悲劇は、古代からあり、二十世紀も終ろうとする現在も跡をたたない。本巻は、つきもの研究の初の集成である。”(帯文)
目次:
序(谷川健一)
憑きものと社会(石塚尊俊)
群馬の憑きもの(後藤忠夫)
憑きものと社会構造(吉田禎吾、板橋作美)
家と山の神(千葉徳爾)
人狐・狐憑き・狐持ちの実態(出雲民俗の会)
人狐―伝説とその正体(岩田正俊)
狐持ち研究へ疑問(速水保孝)
狐持ちと双系的親族組織(丸山孝一)
犬神統その他(桂井和雄)
俗信と社会構造(吉田禎吾、綾部恒雄編著)
憑きもの筋の膨張とそれ以前(石塚尊俊)
飛騨の牛蒡種(須田圭三)
全国憑きもの報告集成(編:石塚尊俊)
{青森県八戸地方(小井川潤次郎)/山形県南置賜郡中津川村(井之口章次)/福島県南会津郡檜枝岐(今野円輔)/新潟県佐渡島(阿部礼子)/千葉県両総地方(川端豊彦)/神奈川県三浦半島(小島瓔礼)/山梨県北都留郡地方(和田正洲)/静岡県庵原郡両河内村(井之口章次)/三重県志摩郡阿児町(清川孝)/兵庫県宍粟郡千種町(前嶋雅光)/鳥取県八頭郡地方(蓮仏重寿)/岡山県美作地方(三浦秀宥)/広島県備北地方(山田次三)/山口県地方(岩根保重)/徳島県三好郡地方(笠井新也)/香川県三豊郡地方(細川敏太郎)/愛媛県伊予三島市(井上同)/大分県速見郡地方(一宮左内)/熊本県人吉市(鈴木通大)/長崎県北松浦郡平戸周辺(井之口章次)/鹿児島県地方(村田熙)}
解説(石塚尊俊)
編集のしおり(月報)5:
{クチその他(山下欣一)/太古的因子の機能に関する研究をめぐって(野村暢清)}