昭和50年初版 A5変型判(ページ部分19.5×14.8) カバー上端少イタミ、背少ヤケ、袖剥がし跡 裏遊び紙少剥がし跡
記紀などの神話、各地の伝説、民俗、古代の遺物などをもとに、動物にまつわる信仰や象徴性について考察する。
目次:
遠野から ―プロローグ
{「自然の摂理」とは?/追われる野獣/神にまつられた狐狼/海神の使者=鮭/動物儀礼と共同幻覚/生活者にとっての動物}
霊界をはばたく使者 ―白鳥
{伝承の中の白鳥/「産土さま」になった白鳥/「白鳥事件」といわれる争い/北から渡来する神霊}
海を照らす神しき光 ―海蛇
{「神光照海」の扁額/竜蛇神をめぐる神事/セグロウミヘビの威厳/家に入った蛇/大和の竜蛇信仰}
海神の娘 ―鮫
{竜宮の姫はだれか?/鮫と寄り添うイルカ/人を食った鮫/鮫に助けられた話/海人=異族の悲話}
もの言う南海の人魚 ―儒艮
{津波を起こす魚=ザン/ジュゴン(ザン)の正体/新城島のザン漁と巻踊り/人魚を食った八百比丘尼}
狩りに騒ぐ太古の血 ―鹿
{狩りの主賓だった鹿/「殉教者」としての鹿/志賀島と鹿トの記憶/鹿衣・鹿杖・鹿笛/伝説の優しさと無残な乱獲}
黄泉への誘い鳥 〈鵜〉
{能登の海鵜/「鵜取部」と鵜の役割/「生と死」と鵜の関係/鵜を利用してきた人間/現代の鵜飼}
不死と再生の象徴 〈蛇〉
{土器と土偶に残された蛇/さまざまな蛇伝説/神と蛇と生殖/「創世記」に似た話の意味}
狩言葉に満ちた世界 〈猪〉
{『後狩詞記』の村へ/椎葉村の猪狩/猪と神々の間柄/「生類憐みの令」下の猪退治/猟師言葉「ソジシ」の意味}
葛葉の神秘と幻想 〈狐〉
{予兆力を期待された獣/狐と狼との関係/葛葉神社と葛葉伝説/女の血筋と狐憑き/病める現象=狐憑きの問題}
北の異族の匂い 〈鮭〉
{川をのぼる鮭の感動/アイヌの宝=鮭/利権と保護の争い/日常食から正月魚へ}
荒ぶる山の神 〈熊〉
{熊狩りと禁忌/狩りの方法と熊の商品価値/アイヌと熊野関係/怖れられた山の王者}
エピローグ
注