1995年初版 四六判 P531 カバースレ、上下端少イタミ 小口クスミ 扉ページ折れ跡 末尾索引ページ開きグセ、ほか数ヶ所にも若干の開きグセ
叢書ヨーロッパ
旧約聖書のアダムが話していた言語の探求にはじまり、カバラや、ダンテ、ライムンドゥス・ルルス、アタナシウス・キルヒャー、ジョン・ウィルキンズ、ライプニッツ、記号術、エスペラントなど、ヨーロッパを中心とした完全言語・普遍言語をめぐる思考の歴史を辿る。
目次:
諸言(ジャック・ルゴフ)
日本語版によせて(ジャック・ルゴフ)
序
第一章 アダムから「言語の混乱」へ
{『創世記』二章、一〇章、一一章/ヨーロッパ以前と以後/副産物/自然言語の記号論的モデル}
第二章 カバラの汎記号論
{トーラーの読解/宇宙的結合術と名前のカバラ/祖語}
第三章 ダンテの完全言語
{ラテン語と俗語/言語と発話行為/アダムへの最初の賜物/ダンテと普遍文法/光輝ある俗語/ダンテとアブラフィア}
第四章 ライムンドゥス・ルルスの「大いなる術」
{結合術の基本原理/アルファベットと四つの図形/「知識の樹」/ニコラウス・クサヌスにおける普遍的一致}
第五章 単一起源仮説と複数の祖語
{ヘブライ語への回帰/ポステルの普遍主義的ユートピア/語源探索熱/規約主義、エピクロス主義、多起原説/ヘブライ語以前の言語/国民主義的緒仮説/インド=ヨーロッパ語仮説/単一起源説に反対する哲学者たち/なかなか死のうとしない夢/新たな単一起源的緒展望}
第六章 近代文化におけるカバラ主義とルルス主義
{魔術における名前とカバラ主義におけるヘブライ語/ステガノグラフィーにおけるカバラ主義とルルス主義/ルルス的カバラ主義/ブルーノ―結合術と無数世界/無数の歌と言葉}
第七章 像からなる完全言語
{ホラポロンの『ヒエログリュフィカ』/エジプトのアルファベット/キルヒャーのエジプト学/キルヒャーの中国語/キルヒャーのイデオロギー/後世の批判/エジプトの道と中国の道/エイリアンにとっての像}
第八章 魔術的言語
{いくつかの仮説/ジョン・ディーの魔術的言語/完全性と秘密性}
第九章 ポリオグラフィー
{キルヒャーのポリオグラフィー/ベックとベッヒャー/内容の組織化にむけての初期的な企て}
第十章 アプリオリな哲学的言語
{ベイコン/コメニウス/デカルトとメルセンヌ/記号と特徴についてのイギリスでの論争/原始概念と内容の組織化}
第十一章 ジョージ・ダルガーノ
第十二章 ジョン・ウィルキンズ
{図表と文法/即物的記号/辞書―同義語、迂言法、隠喩/開かれた分類?/分類の限界/ウィルキンズのハイパーテクスト}
第十三章 フランシス・ロドウィック
第十四章 ライプニッツから『百科全書』へ
{記号法と計算/原始概念の問題/百科事典と思考のアルファベット/盲目の思考/『易経』と二進法的記数法/副産物/ライプニッツの「図書館」と『百科全書』}
第十五章 啓蒙主義から今日にいたるまでの哲学的言語
{十八世紀のさまざまな計画案/哲学的言語の晩期/宇宙での言語活動/人工知能/完全言語の亡霊たち}
第十六章 国際的補助言語
{混合的な緒体系/アポステリオリな言語のバベル/エスペラント/最適化された文法/いくつかの理論的な意義とそれらへの反論/国際的補助言語の「政治的」可能性/国際的補助言語の限界と表現能力}
第十七章 結論
{バベルの再評価/翻訳/アダムへの賜物}
訳者あとがき
文献一覧
索引