1998年初版 A5判 P254+索引P4 カバー上端少イタミ 表紙底部少汚れ、上部スレ 天少時代シミ
狂言や文芸、キリシタン文献、思想書などを手掛かりとして、近世民衆にとっての性愛に対する認識、社会的位置付け、さらに自然観、身体観を探る。
目次:
序 性と身体を問うこと
{1 二一世紀を前に/2 女性史の組み替え/3 民衆思想史との接点/4 身体の文化史に学ぶ/5 性と身体の近世史}
【第I部】
第1章 緒巻と箕―狂言に見る男と女
{はじめに/1 「ひげやぐら」のばあい/2 「みかづき」のばあい/むすび}
第2章 “汝、姦淫するなかれ”―キリシタン文献に見る男と女
{はじめに/1 婚姻をめぐって/2 男色と堕胎・間引きについて/3 性愛について/おわり}
第3章 笑われる女たち―近世初頭の性をめぐる意識
{はじめに/1 『仁勢物語』を読む/2 『きのふはけふの物語』を読む/おわりに}
第4章 世之介をめぐる女たち―都市における性の諸相
{はじめに/1 遊女・茶屋者・夜発/2 娘・人妻・後家/3 働く女たち/おわりに}
第5章 色道の虚実―『難波鉦』に見る遊女の生活と意見
{はじめに/1 「女郎は勤めの身なれば」/2 「根引などはせぬことらしうござんす」/3 「ことに女郎は罪が深かろ程に」/4 「添わふといふ事であつた物よ」}
第6章 『ひとりね』の色恋―近世「恋愛」論の位相
{はじめに/1 色恋の成り立つ場/2 色恋における女の身体/3 色恋の探求者}
第7章 性の文化
{はじめに/1 場と性/2 性と身体/3 性をめぐる意識/おわりに}
【第II部】
第8章 男女和合のゆくえ―生活思想における性意識
{はじめに/1 増穂残口のばあい/2 安藤昌益のばあい/3 食行・参行から禄行三志へ/4 如来教喜之/おわりに}
第9章 自然と人間 からだとこころ
{1 はじまりは菜の花/2 自然ととむきあう/3 自然を思惟する/4 からだへの注目/5 からだとこころ}
第10章 三浦命助の「離陸」―民衆の「近代」に向って
{はじめに/1 「ヨグヲハナレテ」/2 「ゲイ」と「アイケウ」/3 「イノツノ井エハカラダナリ」/4 「人ノ大ベン小ベンヲトリ」/おわりに}
あとがき
索引