1988年初版 A5判 P285+索引P5 帯スレ、折れ跡、端少イタミ カバーヤケ、スレ 小口僅汚れ、地にB印あり ページ数ヶ所に僅開きグセ
“事物の文化人類学
この本の価値は、単に物質文化に詳しいというだけではない。広い学識、豊富なデータの面白さ、そして人間と文化への深い理解が独特の魅力を与えている。大林太良「あとがき」より”(帯文)
“自動販売機、口紅までが近い時代の発明ではなく、起源は歴史のあけぼのに遡り、日常の生活でなに気なくふるまい、使っているものにはしかるべき故事来歴がある。本書はこれらの事物の遠い歴史を身近に引き戻し、人類文化の恩恵を思い起こさせる。
本書でとりあげたもの―あやとり、イヌ、入れ墨、うぶ着、かつら、鏡、貨幣、紙、櫛、ゲーム、コーヒー、サンダル、スキー、タバコ、ナイフ、枕、麻薬、木綿、ロボット、ランプ、家、演劇、政治、呪術、葬儀、音楽など。”(帯裏紹介文)
生活器具や装飾品、娯楽、教育、経済、通信など、さまざま分野に関する事物をとりあげ、先史時代の遺物や、未開民族の道具、文化などにその起源を探り、図版とともに紹介する。
目次:
序
第一章 家と炉 {わが家とは/聖なる火の恵み/安らぎをもたらすもの/宝と道具}
第二章 魅惑のアクセサリー {おしゃれとは/色の相対性/ひげと男性美/ヘアースタイルと帽子/歯の美しさ/装飾品と化粧道具}
第三章 最初の自動装置 {人類の召使い/わなの発明/先史時代のわなと狩猟呪術/わなから自動販売機へ}
第四章 恵みの大地へ {大地と食物/初期農耕文化/家畜の起源}
第五章 発明と初期の交易 {発明と伝播/木の道具/骨の道具/石の道具/編み物と織り物/土器の起源/なめし皮とフェルト/鋳造術/専門化と民芸品}
第六章 楽しみの時 {楽しみの時/さまざまな食べ物/お茶の楽しみ/陶酔させるもの/遊びとスポーツ/祭りと宴げ}
第七章 陸路と水路 {人類と道路/水路/陸上の運搬法/はきもの/運搬用家畜/車の発達/水上の運搬法}
第八章 密林のウォール街 {貝貨/石貨/宝石貨幣/歯貨/羽毛貨幣/骨貨/食べられる貨幣/金属貨幣/金貨/布と皮の貨幣/インフレーションとデフレーション}
第九章 太鼓の合図《タム・タム》から新聞へ {荒野の無線/音による伝達/視覚による伝達/道しるべ/所有者の標識/通信文と手紙/文字の誕生/書物の発明}
第十章 書物のない教育 {教育とは/礼儀作法の観念/黄金の幼年時代/成人式/死と再生/成女式と秘密結社/高文化の教育制度}
第十一章 演劇の始まり {演劇の始まり/仮面劇/道化芝居の発達/未開人の所有権/音楽の起源}
第十二章 人生、自由、幸福の追求 {政治の組織/収穫民の法と政治/極北狩猟民の法と政治/農耕民の法と政治/牧畜民の法と政治}
第十三章 呪術と目に見えぬ力 {呪術の世界/魂の宿るもの/死と霊魂}
第十四章 旅路の果て {死の概念/死者の霊魂と肉体/父権的文化と葬装}
あとがき
民族分布図
索引