1999年53刷 P312+索引P8 カバー少イタミ、端ヤケ 小口ヤケ
“「幽霊は実在するか」という疑問にたいして、現代の科学では幽霊の存在を認めてはいない。しかし、平安時代から現在まで、数えきれないほどの日本人が、幽霊を目撃し、その怪音を耳にしている。
本書は、幽霊をみたという体験談を中心に、古典文学、民話、随筆等の中から典型的な話を集め、なぜ日本人がかくも永く幽霊を信じ続けてきたかを解明。”(カバー袖紹介文)
目次:
第一章 すがたなきマボロシ
気になる影の濃淡
首のない影
一 黒いモノがスーッと/二 誰からのぞいている/三 動きまわる音/四 宙を行く人の気配/五 ナワスジの怪/六 足音だけの訪問者/七 片チンバの足音/八 姿なき挨拶/九 棟梁の老妻/一〇 皆が聞いた三味の音
第二章 人魂考
疑問の発光体
人魂の新古
川を越す人魂
一 恐山に向かうタマシ/二 数百個の人魂を追う/三 人魂の落ちた跡/四 挨拶まわり/五 人魂を観察/六 古靱太夫の体験/七 首の後から離脱/八 沖縄の人魂/九 ジャンジャン火/一〇 魂火の会合
第三章 生霊の遊離
ふたりのひとり
魂だけの単独行動
一 影の病い三代/二 霊媒のふしぎな脱魂/三 魂の経験/四 立小便して帰った生霊/五 群馬=北京往復/六 本物と区別つかぬオマク/七 寺へ行ってきた生霊/八 同じ幽霊が二度/九 自殺寸前の幻/一〇 死ぬ前の動静/一一 夫を取り戻した青衣の女/一二 生霊が息子を救う
第四章 たましいの別れ
死目にあう
死人坊
一 愛孫への別れ/二 生まれた孫との対面/三 弟恋し/四 幻の唐桟の羽織/五 みやげの葬式団子/六 「延松が死にました」/七 夢で知った夫の秘密/八 しくしく泣いた母/九 二十年昔の師匠/一〇 刑場鈴ヶ森後日譚/一一 夢枕に変死の母/一二 母鯨の哀願
第五章 魂の寄集地
死霊の森
幽霊屋敷
一 精霊田の群集/二 龍ノ森に死んだ女たち/三 山中のマヨイガ/四 くしゃみの後の祝言/五 もとの家主/六 メレ夫人のすすり泣く声/七 旧宅にいついた亡母/八 幽霊の引越し?/九 魔の一八号室/一〇 開かずの間
第六章 浮かばれざる霊
史実と芸能と
牛込の皿屋敷
お菊虫
一 番町皿屋敷異聞/二 菊女ガ松由来/三 「ありがとうございました」/四 暗闇から白い手/五 残した艶書で浮ばれぬ/六 踊への執念/七 恋のもつれ/八 骨壺の乱れ/九 手まりをつく少女/一〇 壁の中の声/一一 米軍に焼き殺されて/一二 員数外のもう一人/一三 長靴をはいた濡れ男/一四 亡霊のおかげで事件解決/一五 自首させた亡霊/一六 墓中にも階級制度/一七 猫の顔の女/一八 死霊の誘い
第七章 死霊の働きかけ
恨めしくない四谷怪談
戦場故郷往来
一 防空頭巾の集団亡霊/二 子供にだけ見える/三 背中に殺した女/四 うらやましかった日本髪/五 まま母二題/六 落語「もう半分」/七 「おっかさん握り飯を」/八 白い眼の日本兵/九 魂の帰還兵/一〇 首なし日本兵/一一 骸骨の亡霊/一二 元特攻隊墓地/一三 死体安置室のあと/一四 兵隊姿の大入道
第八章 舟幽霊その他
恐ろしい水難者の霊
一 洋上に三本の松の木/二 海坊主のあくび/三 墓地に帰る海の霊/四 乗り込んでくる死人/五 鳴門競艇場の白昼夢/六 死第に目鼻/七 船中の人語を忌む/八 幽霊軍艦“志自岐丸”/九 全国舟幽霊資料/一〇 人に憑くホボラ/一一 海難者のタマシ
第九章 タクシーに乗る幽霊
籠から人力車へ
幻の無人自動車
幽霊と交通機関
一 タクシーと幽霊プロローグ/二 カー・ラジオの効用/三 座席だけがぐっしょり/四 終電車の老婆/五 小田急に三姉妹/六 碓氷峠の幽霊娘/七 月明下の闇/八 独りで動く供養石/九 もうひとりのスチュワーデス
第十章 親しき幽霊
あの世の夫婦
牡丹灯籠
一 会計簿の整理に/二 フローレンスの亡霊/三 先妻の頼み/四 落語「毛の伸びるのを待って」/五 恋慕無情/六 夫は恨まぬが/七 あの世では初恋の人と/八 落語「反魂香」/九 露店風呂のアベック/一〇 墓地の清掃「ありがとう」/一一 そば代払った菊之助/一二 有楽町で消えた従弟/一三 幽霊との対決まる一年/一四 狂い死にした妾の幽霊/一五 「殺されたのにまだでるか」/一六 「枕返しの幽霊画」/一七 影の薄かったロンドン婦人
幽霊外伝
幽霊は実在するか
幽霊と無縁仏
子育て幽霊の背景
産婦の亡霊
若葉の幻