1986年 A5判 P311 カバー少ヤケ、端少イタミ 天・小口ヤケ、少汚れ
解説:澁澤龍彦、中野美代子、荒俣宏
“ルネサンス最大の綺想科学者の全貌
幻燈器、自働演奏器、作曲器、盗聴器、中国文明エジプト起源説、自然発生説、ノアの方舟、バベルの塔、地下世界………”(帯文)
“ルネサンス最大の幻想科学者アタナシウス・キルヒャー。その独創的な業績の数々は、今もヨーロッパ知識人たちのまえに、巨大な影響を与えつづけている。
本書は、キルヒャーの著作に残された奇怪なイラストレーション群の紹介を通して、その奔放な想像力の世界を、現代に再生させる試みである。”(カバー袖紹介文)
目次:
Part I 失われた知識の探求
第一章 遅れてきたルネサンス人
科学と神学の断層/想像力の復活/『忘我の旅』と『大いなる知識の術』
第二章 綺想者の生涯
奇蹟の時代/ローマへの道/冒険、研究、そして信仰
第三章 古代神学と比較宗教
偶像崇拝の起源/シンボルの体系/異端への密やかな憧憬/キルヒャーからライプニッツへ
Part II 万物遊覧
第一章 ノアの方舟―空想動物と分類学のこころみ
第二章 バベルの塔―巨大建築と言語の史学
第三章 ラティウム―ラテン民族の原風景を訪ねて
第四章 中国―中国文明エジプト起源説
第五章 エジプトのオイディプス―神聖文字の解読と秘教の系譜
第六章 おんがく―自動演奏機とコンピュータの初歩
第七章 普遍的魔術師―宇宙の磁石としての神
第八章 地下世界―火成論、自然発生説、反錬金術
Part III アタナシウス・キルヒャー頌
第一章 略伝と驚異博物館(澁澤龍彦)
デカルトが気にした男/祭壇の下の心臓/博物館の行方
第二章 『シナ図説』の想像力(中野美代子)
大秦景教流行中国碑/漢字と菩薩/海馬の謎をめぐって/飛翔する亀
第三章 三人のキルヒャリアン―キルヒャー自然学の継承(荒俣宏)
視覚の勝利―ガスパール・ショットの場合/珍奇の学―ガスパール・ショットの場合/自然発生―フィリッポ・ブオナンニの場合/音と真空―ガスパ・ベルティの場合
資料:アタナシウス・キルヒャーをめぐる参考文献一覧(編:ジョスリン・ゴドウィン)
訳者あとがき(川島昭夫)