1981年初版　四六判　P283　帯およびカバースレ、クスミ　カバー裏上部に欠損

“《狼狂》ボレルの処女詩集！
こんなちっぽけな本がこれほど轟々たる悪評を招いたことはかつて一度もなかった―ネルヴァルやゴーチエらと共に小ロマン派の闘士として大活躍しながら、アルジェリアに消えた《狼狂》ボレル、早すぎたランボオともいうべき彼が自らこうのべた、凌辱と涜聖にみちた処女詩集！”（帯文）

目次：
【Ｉ　狂想賦】
序文
詩篇
　｛プロローグ／わが兄ベノニへ寄せる涙／老船長／巧みな拒絶／革命暦祭典《サン・キュロッティード》の日に／騎士の恋―最後の逢ふ瀬／イズーの浮彫肖像《メダイヨン》に寄す／絶望／ファンタジー／コルシカの物語―或る夜の惨劇／恨みつらみ／恋の勝利／孤独／恋の姫君／砦／夢想／冒険家《アヴァンチュリエ》／太陽への讃歌／運・不運／短詩《オドレット》／わが窓／『バイイの死』落選について／建築家ジュール・ヴァーブルに寄す／劇詩『アガリット』｝
田園詩集
　｛ブルターニュの朗吟詩人／或る伯爵夫人の身許／愛の渇き／市場の火事｝
愛国詩篇
　｛一八三〇年七月二十八日から二十九日にかけて／革命後、幾千《いくばく》もなく／正義／フランス人の覚醒を呼びかける歌／また不運の苛立ちのまま｝
エピローグ
　｛脅迫｝

【ＩＩ　その他の詩篇】
道徳を押売りしてゐる或る男に寄す／『ビュチファール夫人』の序詩／（ああ、マダム。……）／（わが心、仄闇に……）／（この熾烈な愛……）／恋について／芸術について／昏々と眠れる詩神《ミューズ》（断章）

解説（川口顕弘）

装幀：片山妙子