1998年初版　ページ14.8×20.0　P439、P517　各巻箱背から端にかけて少ヤケ　上巻帯破れ　下巻帯なし　栞（小冊子）付

“いま明らかになる尾崎翠とその文学の知られざる全貌
尾崎翠は取り憑く。心を奪う。魂を魅入らせる。それも　晴朗な空のように。（中野翠）
永遠に新しい感覚の波動。
新発見〈未発表原稿〉初収録　待望の決定版《全２巻》”　（上巻帯文）

目次：
【上巻】
I
さゝやき／初期短歌／海の小曲／山脈／因幡の海／木蓮／富春園にて／里謡二篇　｛岩井の里／盆踊り｝／詩二篇　神々に捧ぐる詩　｛チヤアリイ・チャツプリン／ヰリアム・シヤアプ｝

II
蒼いくし／漁村の新生活／あさ／朝／雪のたより／草に坐りて／冬にわかれて／豆畑／宵／昼の淋しさ／宵のたより／悲しみの頃／海ゆく心／ねざめ／仮睡の頃／悲しみを求める心／夏逝くこころ／無風帯から／松林／花束／詩「嵐の夜空」／少女《をとめ》ララよ―伝奇物語／初恋

III
香りから呼ぶ幻覚／或る伯林児《べるりんつこ》の話／山村氏の鼻／詩人の靴／匂ひ―嗜好帳の二三ペエヂ／捧ぐる言葉―嗜好帳の二三ペエヂ／木犀／アツプルパイの午後／漫漕／新嫉妬価値／途上にて／第七官界彷徨／「第七官界彷徨」の構図その他／歩行／こほろぎ嬢／地下室アントンの一夜

解題　（稲垣眞美）
解説（上）　（稲垣眞美）

【下巻】
IV
瑠璃玉の耳輪／映画漫想I～VI／モレラ（翻訳　エドガア・アラン・ポオ作）

V
「牛肉と馬鈴薯」の読後／素木しづ子氏に就いて／岸上氏の歌／佐伯新一郎氏の歌／異性間の友情について／「蒼馬を見たり」評／「悪魔」寸感／杖と帽子の偏執者／新秋名果／春の短文集／杉森留三氏のこと／微笑花世／もくれん／太田洋子と私

VI
書簡／座談「炉辺雑話」より／女流詩人・作家座談会

VII
少女小説　｛浜豌豆の咲く頃／美しい貝がら／初夢お話／燕の話／送別会の後／お札の花束／星の窓／小さい星／縞のあはせ／拾つたお金入れ／土曜日の晩／浜出の日／四季の会／詩　博多人形／秋の宵／泉のほとり／暖い家／空気草履／露の珠／指環／頸飾をたづねて／三人の落としもの／肖像画／銀の燭台／赤いスリツパ／孤り描く／アベマリア／白百合の花／さくら貝／秋二題／指環／博多人形／悲しき桜草｝

尾崎翠と少女小説　（黒澤亜里子）
解題　（稲垣眞美）
年譜　（稲垣眞美・竹内道夫）
解説（下）　（稲垣眞美）

栞：
尾崎翠は取り憑く（中野翠）／尾崎翠という筋骨（村田喜代子）／翠と鳥取ゆかりの文学者（竹内道夫）／尾崎翠―断想（山田稔）