1994年初版　Ａ５判　P345　帯僅イタミ、背少ヤケ　カバー背上部僅イタミ

“失われた世界に生きた人びとと語り合うために、絵と史料が織りなす中世の巷におもむく”（帯文）

目次：
I　上杉本洛中洛外図から
　馬二題―上杉本洛中洛外図の一齣　｛米屋に馬／暴れ馬｝
　失われた五条橋中島　｛見落とされた五条橋の世界へ／鴨川に中島があった／法城寺と晴明の徒／夏禹王朝と河原者／失われた中島｝
　弁慶石の入洛　｛町名になった弁慶石／二つの弁慶石伝承／史実と伝承の間／鎮座とその後｝

II　洛中洛外の時代
　荘園解体期の京の流通　｛米屋―永享十年と四府駕輿丁／率分関―応仁の乱前と乱後／供御人―自分商売から他国商売へ／洛中洛外―成立と展開／おわりに｝
　伊勢の神をめぐる病と信仰　｛応永二十七年／室町殿医師高間狐付事件／応永二十八年／天下疫病興盛／永享十年／洛中洛外今神明／伊勢信仰の底流｝
　飢饉と京菓子―失われた創業伝説
　中世の祇園御霊会―大政所旅所と馬上役制　｛室町期神社の祭礼／大政所旅所・神主職／馬上役差定の原理／馬上役割の動揺と再編／結｝
　五条天神と祇園社―『義経記』成立の頃　｛五条天神流罪事／祇園末社／流罪宣下／北白川印地代将軍湛海坊｝
　下人の社寺参詣―抜参りの源流　｛いとまを乞はず／参詣の力｝
　一青年貴族の異状死―父・山科言国の日記から

あとがき