1991年初版　四六判　P432　帯袖折れ跡　カバー内側時代シミ

「文学の冒険」シリーズ

“完璧なカップル、双生児ジャン＝ポールの〈卵形の愛〉がこわれたとき、ふたりの探求の旅がはじまった……
世界をかけめぐる双子の愛と冒険”（帯文）

“ブルターニュの田舎町ピエール・ソナント、双子の兄弟ジャンとポールはふたりだけの世界〈卵形の愛〉に充ち足りた日々を送っていた。だが、自我に目覚めたジャンが婚約者を連れてきたとき、ジャン＝ポールの完全な世界はこわれはじめた。双子性に傷つき逃走したジャンを追って、ポールの探求の旅が始まる。ヴェネツィア、ジェルバ、アイスランド、日本、バンクーバー、ジャンの足跡をたどり世界を一めぐりしたポールは、ベルリンで〈壁〉の建設に立ち会うが……
五つの町のごみ捨て場を支配する〈ごみのダンディー〉こと同性愛主義者アレクサンドル叔父の冒険をおりまぜながら、現代の神話の語り手トゥルニエがつむぎだす双子の愛と秘儀参入の物語。”（カバー裏紹介文）

目次：
第一章　鳴る石《ピエール・ソナント》／第二章　アレクサンドルの聖職就任／第三章　無垢な者たちの丘／第四章　獲物の獲物／第五章　天国と地獄／第六章　双子の兄弟／第七章　フィリピンの真珠／第八章　木いちご／第九章　獣毛と羽毛／第十章　ジョソン・アマンディノワ／第十一章　サン＝テスコビーユの列車／第十二章　砕け散った石／第十三章　ハンターの死／第十四章　不運／第十五章　ヴェネツィアの鏡／第十六章　ロートパゴスの島／第十七章　アイスランドの聖霊降誕祭／第十八章　日本の庭／第十九章　バンクーバーのアザラシ／第二十章　大草原の測量士たち／第二十一章　ベルリンの壁／第二十二章　広げられた心
訳者あとがき