1994年2刷　四六判　P253　帯スレ、背ヤケ大　カバー背ヤケ

“風土に宿る小さき神を求めて、民俗学者の思索の旅。”（帯文）

目次：
序　小さきものの世界

南島へのまなざし
　南への衝動、北への衝動
　南島の空と海　｛南を吞むもの／海神の贈物／束の間の島／月夜の幸福｝
　オモロの世界　｛風に生きる／斧《よき》と船《きみ》／遠い時代の鼓動を聞く―『おもろさうし』と『ユーカラ』―／シマウタの呪力｝
　神とムラ　｛南島の村落《シマ》／神としての巫女｝
　粟と稲の祭祀　｛宮古島の粟ブーズ／初穂儀礼と収穫祭｝

地名伝承を求めて
　地名から歴史を読む　｛地名研究の学際性／地名の旅―平泉という地名―／東北地方のアイヌの人名／星月夜、鎌倉山／渡辺という地名／地名と金属／若狭の地名伝承と歴史／煙波の彼方―不知火海と海外文化―／残る中世―朝鮮の史書にあらわれた日本の地名―／二つのコムナリ｝
　風土と地名伝承　｛悪路王という名／御霊信仰と佐倉―水の文化圏―／楠神の足跡／ともしびの明石／地名における野と原／ユートピア幻想の島々／沈鐘伝説／姥という地名／姥が懐／黒潮がむすぶ南と北／潮に洗われた地名｝

異界への招待状
　妖怪起源考　｛モノとミサキ／天つ神と国つ神／一本足の怪物／妖怪の両義性／疫病と妖怪／『稲生物怪録』｝
　異界の民俗誌　｛妖怪からのめくばせ／憑きもの―生霊と動物霊―／サンカとマタギ／山人の民俗誌／巫女の世界／漂海民―家船と糸満漁民―｝
　異界への旅　｛両面宿儺の世界／百済王誕生秘史／仮面の民俗―黒潮と仮面―｝

民俗の思想
　領けるということ
　動植物名と民俗　｛ミーとビヒ―生活者の植物分類考―／オジーの意味―動植物の分類命名―｝
　折口信夫の他界観
　言葉と民俗　｛タヂヒ（蝮）／すずしい話｝
　聖なる疲れ
　さまよえる天女
　神を失った近代知識人―三島由紀夫への違和感―
　
初出一覧