昭和16年再版　Ｂ６判　P263　全体に経年によるイタミ、ヤケ、時代シミあり　函縛り跡、角イタミ　本体表紙シミ汚れ　蔵書印三ヶ所（裏表紙、見返し、奥付ページ）

旧字旧かな遣い

“ボードレールの「散文詩」は一貫して純粋な美しさを湛へてゐる作品である。彼の著作の中でこれほど陰影と情緒とに富んだ作品はあるまい。思ひ上つた衒ひはここにはない。到るところに真の芸術家の善意が輝き、すべてが内省的、暗示的で、ひつそりと微妙な均衡を保つてゐる。”（はしがきより）

目次：
はしがき（訳者）
アルセーヌ・ウーセイに／エトランジェ／老婆の絶望／芸術家の告白の祈／おどけ者／二重の部屋／人おのおの火龍《シメール》を負ふ／道化とヴィーナス／犬と香水壜／不埒な硝子売／午前一時に／野蛮な女と気取つた恋人／群衆／寡婦／老いたる香具師／菓子／時計／髪の中の半球／旅への誘ひ／貧者の玩具／妖精の贈物／誘惑　或ひは恋愛の神と富貴の神と名誉の神／夕まぐれ／孤独／計画／美女ドロテ／貧者の眼／壮烈なる死／贋金／寛大なる賭博者／紐／天性／酒神杖／酔ひ給へ／ああ既に！／窓／描かうといふ願望／月の賜物／どちらが真の彼女であらうか！／良種の馬／鏡／港／恋人たちの肖像／粋な射手／スープと雲／射撃場と墓地／円光喪失／外科刀《メス》嬢／この世の外なら何處へでも／貧民を殴り倒さう！／善良なる犬／エピローグ
略註