1995年初版　四六版　P269　帯およびカバーヤケ大、汚れ　小口ヤケ

“フランスの知性が見たニッポン。
通訳者として、また親しい友人として、サルトル、ボーヴォワールと28日間ともに過ごした著者が、二人の知られざるプロフィールと、秘められたエピソードの数々を、生き生きと描いた書き下ろし長編エッセイ！！”（帯文）

目次：
序文（エレーヌ・ド・ボーヴォワール）
推薦の言葉（リシャール・シャンボン）

第１章　サルトル、ボーヴォワールの来日
　サルトル、ボーヴォワールの来日
　　｛土砂降りの飛行場で待つ　東京　九月十七日（土）・九月十八日（日）／日本的な歓迎／時間厳守の記者会見に好感／お気に入りはサントリー・オールド／醤油の匂いが大好き／インテリ芸者に閉口する　九月十九日（月）｝
　来日初の講演
　　｛慶応大学始まって以来の大イヴェント　九月二十日（火）／女性の状況、知識人の役割／庶民的な日本への興味　九月二十一日（水）｝
　恋愛、結婚、セックス―月刊《マドモワゼル》のインタビュー
　　｛女性が自由を獲得するために　九月二十一日（水）｝
　サルトル、ボーヴォワール訪日の大反響
　　｛知識人の役割　九月二十二日（木）／日本の若者の印象／サルトル人気の理由｝
　完全な平等　『朝日新聞』のインタビュー
　　｛二人の関係をざっくばらんに　九月二十二日（木）｝

第２章　サルトル、ボーヴォワールの日本の旅
　サルトル、ボーヴォワールの日本の旅　九月二十三日（金）〜ニ十四日（土）
　　｛箱根から熱海へ／能への感銘／東京を歩く　九月二十五日（日）｝
　京都旅行
　　｛新幹線を三分遅らせる　九月二十六日（月）／ボーヴォワールの嫉妬？／最後の講演　九月二十七日（火）／人間存在の根元をとらえる／谷崎夫人との秘密会談／日本の作家のボーヴォワール観／幻想的ジャポンとの出会い／桂離宮に日本美の粋を見る　九月二十八日（水）／世界でもっとも美しい庭　九月二十九日（木）｝
　奈良
　　｛比類のない日本の彫像　九月三〇日（金）／法隆寺―日本の古典美術に大いに満足する｝
　高野山から志摩へ
　　｛無神論者サルトルの徹底ぶり　十月一日（土）｝
　京都、俵屋の晩
　　｛酩酊するサルトル／金閣寺で三島を想う　十月三日（月）｝
　大阪から神戸へ
　　｛心斎橋のカニ　十月四日（火）／神戸で自動車事故に遭う／パリにも伝わった事故のニュース｝
　九州へ
　　｛活火山が大好きなサルトル―別府の地獄巡り　十月五日（水）／土地の新聞記者の取材を受ける　十月六日（木）／三角、島原、雲仙を経て長崎へ　十月七日（金）／長崎―平和公園　十月七日（金）／現像代が五万円！／福岡―女沖仲仕の健気な姿に接する　十月八日（土）｝
　広島
　　｛「広島の家」の案内を受ける　十月九日（日）／原爆ドームの保存を説く／被爆者への国の待遇に怒るサルトル／倉敷、大原美術館での驚き　十月十一日（火）｝

第３章　再び東京へ
　再び東京へ
　　｛社会党成田書記長と会見／《世界》主催の座談会　十月十二日（水）／浅草で下町を体験する　十月十三日（木）／新宿の屋上／文楽が大好きなボーヴォワール｝
　日本の学者との対話　《文芸》と《婦人公論》の座談会
　　｛日本のサルトル研究家たち　十月十四日（金）／第二の性はいかに生きるか｝
　三十六年目の結婚記念日
　　｛さんざめく刻々／べ平連の追及と、あるハプニング　十月十五日（土）／サルトルは、とても勘のよい人｝
　帰国
　　｛サルトルの自筆原稿をプレゼントされる　十月十六日（日）／「自分の本を書きなさい」／別れ｝

第４章　エピローグ
　エピローグ
　　｛ボーヴォワールのアパルトマンへ　四月十一日（月）／ボーヴォワールの悲しみ／病院に着く／日本の知人のこと／サルトル、最後の言葉／オールヴォワール　四月十四日（月）／夜の緊急ニュース　四月二十五日（火）｝
　一九八〇年・別れの時
　　｛サルトルの葬儀／一市民として葬られたサルトル／ボーヴォワール、七十八歳の誕生日　一九八六年一月七日／ボーヴォワール亡くなる｝

あとがき