ヴァインランド トマス・ピンチョン 訳:佐藤良明 新潮社

1999年2刷 ページ部分13.2×19.1 P645 カバー背および上端ヤケ大 小口ヤケ、汚れ

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1999年2刷 ページ部分13.2×19.1 P645 カバー背および上端ヤケ大 小口ヤケ、汚れ

“ヒッピーおやじとしっかりもののティーンズ娘、パンク少年と突如現れた昔なじみの麻薬専門ポリスマン。北カリフォルニアの山中の、ジャンクフードがとっ散らかった掘っ立て小屋での抱腹絶倒の会話をもって、52歳の寡作作家の、4冊目の小説は幕が開く。…《略》…
しだいにダークな雰囲気を立ち上げながら、しかし同時に、このおぞましいアメリカに、小説はじわじわとプロットを張っていく。物語は軽やかとさえ言ってしまいたいたくなる筆さばきで、時空をピョンピョン駈けめぐる。思い切り脱線しそうでいつのまにか本流に統合される逸話のフーガ。その一つ一つがピンチョン印のブットビようだ。まず登場するのがマフィアのドン。その彼が抹殺を謀る連邦検察官。綿密な殺しのための秘密兵器に選ばれた天才少女格闘家。その少女を忍者に育てるニッポンのヤクザな武道家。女忍者の「デス・タッチ」をあびて「おまえはもう死んでいる」状態にされた日本のおっさん。そのおっさんと女忍者の珍妙なおしどり道中記。二人がはじめたカルマ矯正ビジネスにあつまってくる、恨み多き死人たち。それらをみんな巻き込んで『ヴァインランド』は、時をさかのぼり、また戻り、寄せては引く波のような語りの運動を繰り返す。”(『訳者あとがき』より)


巻末62ページにわたる註釈「『ヴァインランド』を楽しむための訳者ノート」では、作中登場する固有名詞やスラング、テレビや映画の出典、ポップカルチャーなどについて解説する。
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