1994年初版　Ｂ６判　P211　帯イタミ

「第二次大戦をはさむ、幻滅と崩壊の時代に、ネオ・ロマンティシズムの先導者として、イギリス詩壇に彗星のごとく輝き現われ、39歳の若さでアルコール中毒のため、ニューヨークに客死した伝説的詩人、ディラン・トマス。その詩は、「生成と破壊」を主題に、斬新なイメージと魔術的な言葉によって、神の摂理への讃歌を謳いあげた。」（帯文）

目次：
詩篇
　序詩
　十八篇の詩
　　｛夏の少年たち／心臓の天候／わたしがノックし／緑の導火線を通して花を駆りたてる力／ぼくの英雄／かつておまえの顔の潮が／愛の摩擦／ことに十月の風が／太陽の照らぬところに光が射す｝
　二十五篇の詩
　　｛わたしがちぎるこのパン／郭公の月のこの古い刻々／なぜ東風は凍え／ある悲しみのまえ／塔のなかの耳／書類にサインした手／手提げランプの灯が照らせば／ぼくは立ち去って／死は支配することなかるべし｝
　愛の地図
　　｛ぼくの田園の五感すべてが見るとき／ぼくらは砂浜に横たわり／葬式のあと／言葉の色彩／墓石はその女の死んだ時を告げた／二十四年｝
　死と入り口
　　｛祈りの会話／ロンドン空襲に焼死せる子供の追悼を拒める時／十月の詩／真実のこちら側／精神病院の恋／公園のせむし／あのやさしい夜のなかへ／死と入り口／冬の物語／僕流の芸やすねた技巧で／焼夷弾空襲のあとの儀式／ぼくが目覚めたとき／明け方の空襲で死んだ人のなかに百歳の老人がいた／静かに横たわり、やすらかに眠れ／ファーン・ヒル｝
　田舎の眠りのなかで
　　｛田舎の眠りのなかで／サー・ジョンの丘の上／誕生日の詩／悲歌／白い巨人の股のなか｝

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詩人論・解説
　先駆者ディラン・トマス（フランシス・スカーフ）

解説（松田幸雄）
年譜