1997年初版　Ａ５判　P307＋索引P14　カバー少汚れ、カバー袖少シミ汚れ

江戸期におけるいわゆる賤民や遊女、猿飼の社会的位置づけ、浅草弾左衛門などについて“身分的周縁の視点”から探る。

目次：
第一部　身分制の構造
　第一章　身分制の構造　｛はじめに／一　町人と商人／二　「周縁社会」論の射程／おわりに｝
　第二章　下層民の世界―「身分的周縁」の視点から　｛はじめに／一　第一の局面―生ずる分岐／二　第二の局面―社会的ネットワーク／三　第三の局面―利害集団としての成熟｝

第二部　身分―都市と流通
　第三章　アジアにおける良と賤―牛皮流通を手掛りとして　｛序―課題の限定／一　対馬藩政における牛皮輸入／二　輸入牛皮の流通過程／三　福岡藩革座と大阪皮問屋／総括｝
　第四章　牛馬骨の流通構造　｛はじめに／一　牛馬皮の流通構造／二　鹿児島の農業と骨粉肥料／三　福岡藩領産出の牛馬骨／四　田辺領・萩藩領産出の牛馬骨／おわりに｝
　第五章　江戸における遊女と売女　｛はじめに／遊女と売女の存在形態／二　違法とされる遊女の類型／三　事件発覚の類型／四　浅草田町／おわりに｝
　補論　都市社会の文節的把握―吉原を事例に　｛はじめに／一　近世都市史研究／二　吉原の社会構造とその性格／おわりに｝

第三部　身分―芸能と権威
　第六章　近世賤民制と天皇―朝廷権威　―「弾左衛門由緒書」と「河原巻物」をめぐって　｛はじめに／一　研究の現状／二　寛文七年の二つの「争論」と弾左衛門「下状」／三　弾左衛門の支配と諸身分／四　「弾左衛門由緒書」／おわりに｝
　第七章　芸能者の社会的位置　｛はじめに―「勝扇子」一件の再検討／関蝉丸神社と説教者／おわりに｝
　第八章　近世猿飼の身分と職分　｛はじめに／一　江戸の猿飼／二　日光神領の猿引／三　各地の猿引／おわりに｝

巻末にあとがき、索引を収録