1984、85年初版 四六判 P295、285、286 1、3巻のみ帯付(背ヤケ) 各巻カバーヤケ、スレ、少汚れ、内側時代シミ多 本体表紙時代シミ 天・小口汚れ 各巻詳細は商品説明欄をご参照ください
澁澤龍彦がそれぞれのテーマごとに古今東西の記述の断章を集めたアンソロジー。(澁澤のエッセイ、評論ではありません。)
【1 夢のかたち】帯背ヤケ カバー少スレ、汚れ、内側時代シミ多 本体表紙時代シミ 天汚れ、時代シミ
“語りえぬ不思議を 語ろうとする 古代からの 多種多様な夢の記述の一大絵巻
ホメーロスからマンディアルグまで126の断章を収録”(帯文)
“三つの標本箱がある。名づけて『澁澤龍彦コレクション』。ここには無定形なものは何一つない。夢ならあくまでも夢のかたちであり、エロチシズムは畸型学や天使学を通じて整然たる博物誌的構図に配置され、冷たく明るい古典主義的感性のセレクターを通して選びぬかれた、さまざまの情念の結晶体が硬質の輝きにきらめく。これは稀代の目利きが創出した、夢、物体、エロチシズムの三位一体からなる驚異博物館である。”(帯裏紹介文:種村季弘)
目次(抄):
編者による序
世界の終り(マリ・バシュキルツェフ)/夢の季節(プリニウス)/眠る女のアリバイ(コクトー)/ゴッフレードの夢(タッソー)/夢にあらわれたラウラ(サド)/見るならば面白い夢(ニーチェ)/大孔雀王の夢(明惠)/キャルパーニアの夢(シェイクスピア)/ペネロペイアの夢(ホメーロス)/デ・ゼッサントの夢(ユイスマンス)/死んだ母の夢(リヒテンベルク)/母と同衾した夢(ヘロドトス)/イオカステの意見(コクトー)/眠りは劇場支配人(ゴンゴラ)/
・・・・・・ほか
月報:夢への敬意(多田智満子)/華やぐ夢見(中沢新一)
【2 オブジェを求めて】帯欠 カバー少スレ、少汚れ、背および端ヤケ、内側時代シミ多 本体表紙時代シミ 天汚れ、時代シミ
“永遠の観念を形象する 物体や器械など 言語の結晶学になるオブジェの集合”(宣伝文)
“真実はいつも直観の一閃のうちにとらえられ、光りはいつも断章の短い影からあらわれるものだ。澁澤さんの手によって蒐集された燦めくような文章の数々は、古今東西の時空から、余計なものの混じらぬ強烈なエッセンスだけを運んでくる。蜜蜂が花々をわたるように、詩人が酒神を求め歩くように、これらの断章を自由に拾い読みしていくことは、またなんという歓びだろう。”(紹介文:田村隆一)
目次(抄):
編者による序
がらくたの宝物(コクトー)/甲冑(タッソー)/地球儀(トマス・ブラウン)/巨大なダイヤモンド(ルーセル)/鉋屑と蛙(藤原清輔)/ネロの眼鏡(プリニウス)/オブジェとしての男根(アルトーー)/黄金の鳥(イェイツ)/黄金の亀(ユイスマンス)/黄金のランプ(メーテルランク)/黄金の兜(セルバンテス)/つくも神(御伽草子)/
・・・・・・ほか
月報:破壊する神(楠田枝里子)/物の名前(高橋源一郎)
【3 天使から怪物まで】帯背ヤケ、端破れ カバーヤケ、汚れ、少イタミ、内側時代シミ多 本体表紙時代シミ 天・小口汚れ
“聖なるものと奇なるものが エロティックに隣りあう 妖しくも痛快な澁澤館の饗宴
古事記からコクトーまで118の断章を収録”(帯文)
“澁澤龍彦の編んだイメージとエピソードのコレクションには、優美という言葉がふさわしい。書物から書物へと自由に飛びかう、想像力という快楽の翼のはばたく優美な、しかし、時に滑稽であり残酷であり可憐であり驚異でもある古今東西のイメージのアンソロジーについて、私は確信するのである。これは断じて、他の追随を許さぬ群を抜いた、快楽的な宝石箱である、と。”(帯裏紹介文:金井美恵子)
目次(抄):
編者による序
ホムンクルス(ゲーテ)/ゴーレム(マイリンク)/男が女になる(ヒポクラテス)/去勢願望(フローベール)/さまざまな去勢者(アンション)/女が男になる(パレ)/悪徳は選択からはじまる(コクトー)/蝙蝠になった男(チェッリーニ)/自分を食う男(フォルヌレ)/影の病(只野真葛)/フリマスポイ人(プリニウス)/北海の半魚人(ハイネ)/
・・・・・・ほか
月報:天使にして怪物(奥本大三郎)/産みます。育てます。(伊藤比呂美)