
1992年 四六判 P578(2冊通しノンブル) 各巻カバー僅汚れ、背少ヤケ、端少イタミ 本体表紙端少イタミ 天地小口僅汚れ
●絹I●
“養蚕の起源を神話や説話に探り、伝来の時期とルートを跡づけ、記紀・万葉の時代から近世に至るまで、それぞれの時代・社会・階層が生み出した絹の文化を描き出す。”(宣伝文)
目次:
はじめに
【第一章 日本の養蚕の始まり】
一 起源神話
{『古事記』/『日本書紀』}
二 死体化生神話
{繭は眉から生じた/蚕・繭の化生は不必要?/絹は大切な品であった}
三 起源説話
{馬と娘の物語/金色姫の物語}
四 『魏志倭人伝』
{邪馬台国の養蚕/絹織物の調貢/倭人の衣服/烏號}
五 遺跡の絹
{弥生時代の絹/副葬品と絹}
六 養蚕の伝来
{伝来の時期/伝来のルート/蚕種の伝来/養蚕と稲作}
七 語源考
{カイコ/カイコの別名/マユ/キヌ/クワ(クハ)}
八 古代の衣服と植物繊維
{アサ/コウゾとカジノキ/その他の繊維植物}
【第二章 古代の絹】
一 『記紀』の蚕物語
{ヌリノミの飼う虫/ひむしの衣/筒木の里/常世の虫}
二 『万葉集』の蚕物語
{蚕の繭隠り/高麗錦/柘の枝/仙柘枝}
三 渡来人と絹作り
{機織りの技術/渡来人の活躍/渡来人の地方分置}
四 養蚕の奨励
{蚕の勧め/異常気象/大化改新}
五 律令制と絹
{賦役令/桑を植える/官人の給与/縫部司と織部司/礼服・朝服・制服/衣服の色}
六 絹はどう使われたか
{祥瑞/蚕、産みて字を成す/寺社・僧尼/外国の王・使者/宴の引出物/賻儀/論功行賞/学者・技術者/多産/高齢者}
七 延喜式と絹
{絹を産する国/高級な絹織物/織部式/縫殿式/弾正式}
八 絹の美と贅
{貴族たちの衣服/平安の色/染めと縫い/文学作品と絹}
【第三章 中世の絹】
一 倹約のすすめ
{中世前の不安な世情/尾張国解文/美服の規制}
二 武家と絹
{武士団起こる/清盛と絹/頼朝と絹/武士の服装/規制と節約}
三 絹の生産と輸入
{農民と養蚕/絹の生産地/都市の発達と絹/西陣/大陸との交易/室町文化と絹/御伽草子の絹}
【第四章 近世の絹】
一 増える絹輸入
{秀吉・家康と絹/白糸割符/オランダ商館長の日記/鎖国後も続く絹輸入/中国の貿易絹織物/桃山文化と絹/金銀の流出}
二 生糸の増産
{登せ糸/拡がる生産地/諸藩の養蚕振興/各地の絹織物/蚕書と養蚕技術/ジャポニスム/機業の盛衰}
三 庶民と絹
{農民絹禁止令/贅沢の禁止/質草の絹/江戸時代の着物/小袖/多彩な染めと紋様/着物に奢る/江戸文化と絹}
●絹II●
“生糸と絹織物の生産と輸出が、わが国の近代化にはたした役割を描くと共に、養蚕の道具、信仰や庶民生活にわたる養蚕と絹の民俗、 さらには蚕の種類と生態におよぶ。”(宣伝文)
目次:
【第五章 近代の絹】
一 開国と絹
{生糸の輸出/蚕種の輸出/諸規制の改廃}
二 殖産興業
{製糸場の開設/士族授産/養蚕の勧め/学問の勧め/産業と人}
【第六章 養蚕の道具】
一 蚕室
{養蚕と民家/俳句と短歌の蚕室/中国の蚕室/日本の蚕室/蚕当計/ヨーロッパ地方の蚕室}
二 蚕具
{中国の蚕具/蚕箔/蚕架/蚕網/まぶし(蔟)/その他の蚕具/糸繰り道具}
【第七章 養蚕と絹の民俗】
一 養蚕と信仰
{絹の盗難/蚕神/民間信仰}
二 蚕・桑と庶民生活
{蚕を食べる/薬用の蚕/桑を食べる/薬用の桑/桑の加工}
三 地名・河川名・駅名
{地名/河川名/駅名}
四 唱歌・童謡
五 民謡
六 詩歌・俳句
{短歌/俳句/詩}
七 切手
【第八章 絹を作る昆虫】
一 蚕の種類
{家蚕(家)/絹糸虫/野山に生ずるカイコ/絹糸虫類の分類}
二 日本の絹糸虫
{カイコガ科/ヤママユガ科}
三 カイコガ科の昆虫たち
{クワコ/インドおよび近辺国のカイコガ科/まぼろしのカイコ/カイコとハチ/カイコの祖先/ウスバクワゴ}
四 ヤママユガ科の昆虫たち
{大きい蛾/サクサン(柞蚕)/柞蚕の移入/インド柞蚕/クスサン(樟蚕)/シンジュサン(樗蚕)/エリサン(蓖麻蚕)/ヤママユ(山繭)/ヤママユ転じて天蚕/テグス/フウサン(楓蚕)/テグスを作る蚕}
五 蚕の食べ物
{桑の分布/桑の種類/蚕の食性/霊木と霊虫/代用植物}
六 人工飼料で蚕を飼う
{人工飼料の開発/人工飼料育の蚕と絹/養蚕工場}
おわりに
参考文献類