1968年 A5判 P496+索引・文献目録P46 函ヤケ、スレ、角イタミ 本体背ヤケ、少汚れ、下角イタミ 天地小口少ヤケ 両遊び紙剥がし跡
西洋の音楽史、音楽理論に関する古今の文献を検討し、それらが各々の時代における宗教、哲学、学問、芸術といったものから影響を受けていることを詳述する。
“音楽史学に新しい息吹きを与えた米国の音楽学者アレンの労作。一般には利用しがたい古い文書から最近に至るまでの厖大な音楽史文献を克明に位置づけながら、それらを素材に多元的な観点に立つ歴史方法論を展開する。また、有益な文献目録も付されている。”(宣伝文)
目次:
訳者緒言
ドーヴァー版への緒言(W・D・アレン)
編集者の序(E・J・ストリンガム)
序論
I 問題の範囲
II そこに含まれる問題点
III この研究の目的
【第一部 音楽史学の歴史】
第一章 バロック時代における音楽研究
I ルター派の先駆者たち
II カトリックの学者たち
III ドイツ、イタリア、フランスの最初の三人の音楽史家
第二章 論争の背景
I 音楽の区分
II 部分音、声部、和声
III オクターヴの分割
IV 時価の分割器
V 歴史期の区分
VI 美術史はもっと早く始まる
第三章 宗教の伝承、博物誌の伝統、および倫理学の伝統
I 聖書の時代区分と倫理学的分類
II 音楽は啓示か、模倣か、それとも創作か
III 音楽のエートスについての説
IV 近代における因果論への反転
第四章 辞典と百科全書
I 辞典とその効用歴史か、批評か
II 近代フランスの百科全書家たち
III ドイツの辞典
IV 英語、その他の国語による辞典
第五章 十八世紀、啓蒙期の音楽史
I 近代の音楽史記述はイギリスに始まる
II 文化の諸段階の比較分類
III 進歩の観念と詩
第六章 ロマン主義の時代(一八〇〇年―一八五〇年)
I 偉人中心の歴史観
II 有機体説と三位一体説
III 音楽学校のための教科書
IV 近代音楽の新しい定義
V イギリスとフランスにおける種々の貢献
第七章 改革者と進化論者
I 現在と未来に対する新たな関心、進歩の法則
II 過去への復帰
III 単純なものから複雑なものへの進化
IV 原始状態から文明への発展
V その他の音楽史
第八章 一九〇〇年以後の音楽史学
I 現在用いられている文献の概観
II 音楽とその他の諸芸術
III 進化、その根本的解釈
IV 音楽史と国民主義
V マルクス主義的解釈
VI その他の諸国の音楽史
【第二部 音楽史の哲学】
序論
I 連続と類比
II 人間体験における連続性
III 連続性に対する変化
第九章 起源の探求
I 不可解なものの魅惑
Ii 「自然の法則」における起源
III 「人間性の法則」における起源
IV 音楽的構造の起源
第十章 音楽の「発展」と「進歩」
I 比較研究法
II 発展についての類推
III 進歩の観念
第十一章 音楽の「進化」
I 断絶のない歴史
II 時代区分の問題
III 生長の類推
IV ヴァーグナーの影響
V 類推の混乱
第十二章 連続パターンの要約(音楽教育に対するその影響)
I 種々の意味についての引用
II 批判的論評の摘要 15
第十三章 結語(比較、連続、変化)
I 音楽学と比較
II 修正の過程
III 修正の過程で行なわれる競争
IV 異なる地域における、異なるシステム
V 結び
訳者あとがき
音楽史文献目録
索引