
2011年 四六判 ソフトカバー P190 帯背僅ヤケ カバー少スレ
“妖怪を信じる日本人を恐怖から解放した井上円了
畏怖から日本固有の民俗をさぐった柳田国男
二人の天才の、まったく異なる妖怪学。”(帯文)
“妖怪を愛するこころは、いつ生まれたのか。
二つの妖怪学から、日本人の精神の変遷を読む。”(カバー袖紹介文)
目次:
まえがき
第一章 井上円了はいかに妖怪博士となったか
お寺の御曹司、ABCを学んで仏教を疑う
妖怪談を好み、疑うのをさらに好む少年
東京大学に入学、疑っていた仏教を見直す
「不思議研究会」発足 ―迷信は打破すべきである
第二章 哲学館の創立と 「妖怪学」講義
大教団への復帰を蹴り、新時代の学び場創立を訴える
円了のいう「妖怪」とはなにを指すか
財政難を救った勝海舟のアドバイス
はじめて「妖怪学」が確立されたのはいつか
イギリス滞在中に「哲学館事件」発生
中国巡講中に大往生をとげる
第三章 妖怪学とはなにか
まるで秘術のように、『妖怪学講義』を作成する
親鸞にも通じる妖怪学の目的
妖怪は三種類に分類される
『妖怪学講義』 ―妖怪をどうとらえるか
明治天皇も愛読、高い評価を受ける
全国を行脚し、のべ一三〇万人を動員
哲学者が妖怪を真剣に考えたとき
第四章 もうひとつの妖怪考 柳田国男
ガキ大将、でも読書家だった少年時代
高級官僚になった抒情詩人
二足のわらじで「ムラ」を探求する
孤独な大家
戦後価値観が変化
ようやく認められた民俗学
第五章 柳田国男の妖怪学
影響を与えた三人の男たち
妖怪は学問となり得ない
柳田の容赦なき円了批判
『遠野物語』を生んだ円了への反感
第六章 日本人はなぜ妖怪が好きなのか
妖怪ブームはいつからはじまったか
高校生はなにを信じているのか
妖怪を消極的に認める国民性
戦後から変化した新しい価値観
宗教とはいえないなにかを信じたい気持ち
参考・引用文献
あとがき