
昭和40年12版 新書判 P204 全体に経年によるヤケ カバースレ、端イタミ、破れ 天地小口汚れ 両見返し時代シミ 裏見返し書店ラベル貼付 P83シミ汚れ
“幸福ではない
断じて幸福ではない
快楽だ
―オスカー・ワイルド
人生の意義は「幸福を求める」ことにあるという人がいます。しかし、幸福とは、まことにとりとめのない、ふわふわしたもので、しっかりとこの手でにぎって、感触を味わうことはできません。
ほんとうは、あなたは、目もくらむような熾烈な快楽を追求したいと夢みているはずです。それができないのは、世間の思わくを気にしているからでしょう。
よろしい。それなら、この本を読んでください。きっと、勇気がわくはずです。「著者のことば」”(カバー袖紹介文)
カバー挿絵・本文カット:宇野亜喜良
目次:
まえがき
一 幸福より、快楽を
{人生には、目的なんかない/幸福は快楽ではない/文明の発達は、人間を満足させない/「快楽原則」の復活を/幸福は、この世に存在しない}
二 快楽を拒む、けちくさい思想
{博愛主義は、うその思想である/健全な精神こそ、不健全である/「おのれ自身を知れ。」とは愚の骨頂/動物的に生きること}
三 快楽主義とは、何か
{死の恐怖の克服/退屈地獄からの脱出/隠者の思想/政治につばを吐きかけろ/快楽主義の落とし穴/好色ということ/人工楽園と酒池肉林/東洋的快楽主義と西洋的快楽主義}
四 性的快楽の研究
{量より質を/最高のオルガスムを/情死の美学/乱交の理想郷/性感帯の拡大/快楽主義は、ヒューマニズムを否定する}
五 快楽主義の巨人たち
{最初の自由人―樽の中のディオゲネス/酔生夢死の快楽―酒の詩人李白/ペンは剣よりも強し―毒舌家アレティノ/生きる技術の名人―行動家カザノヴァ/リベルタンの放蕩―サドと性の実験/調和型の人間―ゲーテと恋愛文学/遍食動物の理想―サヴァランと美食家たち。/血と太陽の崇拝者―反逆児ワイルド/ユーモアは快楽の源泉―奇人ジャリの人生/肉体が夢をみる―コクトーとアヘン}
六 あなたも、快楽主義者になれる
{わたしの考える、快楽主義者の現代的理想像/誘惑を恐れないこと/一匹オオカミも辞さぬこと/誤解を恐れないこと/精神の貴族たること/本能のおもむくままに行動すること/「労働」を遊ぶこと/レジャーの幻想に目をくらまされないこと/結び―快楽は発見である}