
2014年 A5判 ソフトカバー P323 カバー僅スレ、端僅イタミ 天地小口少汚れ
目次:
【民俗展示の新構築】
妖怪を展示する ―河童を中心に―(常光徹)
一 「妖怪の世界」を構想
二 河童の伝承 ―筑紫平野とその周辺―
三 伝承世界の河童
四 近世知識人と河童
五 さまざまな河童イメージ
六 妖怪の歴史と民俗
【I 河童の歴史と記録】
「河童史料」論 ―人が河童を記録する営み―(木場貴俊)
はじめに
一 河童とはなに? ―辞書類から―
二 水虎か? 封か? ―本草学の視角をめぐって―
三 河童を記す営為 ―本草学・儒学の視角から―
四 「名物」河童 ―『日本山海名物図会』から―
おわりに
河童イメージの変遷(香川雅信)
はじめに
一 猿としての「カワタロウ」
二 江戸型「河童」の広がり
三 河童イメージの画一化
肥前渋江氏と河童信仰の形成 ―河童人形起源説再論―(小馬徹)
はじめに
一 柳田国男の渋江氏認識の深まり
二 肥前国長島庄入部までの橘氏
三 長島庄入部とそれ以後の肥前橘氏
四 渋江公木への問に答えて
おわりに
【II 河童伝説の背景】
河童伝説に由来する家伝薬(立石尚之)
一 河童の伝承と医療
二 河童に由来する薬を伝えている家
三 妙薬伝説と河童のすがた
明治の薬業政策と妖怪印の民間薬 ―「河童伝授の妙薬」を中心に―(和田寛)
一 「河童伝授の妙薬」前史
二 「河童伝授の妙薬」は「金瘡薬」
三 「金瘡薬」から「産婦人科薬」「肺病薬」へ
四 薬舗の店頭に置かれた「河童の像」
五 「滋養牛肉諸製」という「引札」
六 「水虎相伝妙薬まじない」という摺物
七 売業行商人の「おみやげ」
八 「香具師」と「水虎図」
九 「河童の妙薬」は「万病薬」
十 「天狗」「鬼」と「薬神」「疫病神」
十一 「河童伝授の妙薬」が見られなくなった理由
河童死して手を残す ―河童遺物伝承の整理―(飯倉義之)
一 河童の遺した宝物 ―河童遺物伝承とはなにか―
二 河童はなにを遺すのか―河童遺物伝承の整理 24
三 河童の手蹟、河童の手腕 ―河童遺物からみる河童伝承
四 コトバとモノの往還 ―妖怪遺物伝承の可能性
コラム:合羽坂(大島健彦)
【III 河童伝承の現在】
宮城の「おかっぱ様」 ―加美郡色麻町の磯良神社を中心に―(小澤葉菜)
はじめに
一 磯良神社の概要
二 磯良神社例祭「おかっぱ様祭り」
三 一の関以外の磯良神社
四 一の関における「河童」とは
おわりに
伝承から見る宮崎県の河童名称:(三好周平)
はじめに
一 河童の名称研究の軌跡
二 宮崎県の河童伝承と河童の名称
三 名称分布の要因
おわりに
河童の町おこし ーキャラクター化する河童―(松村薫子)
はじめに
一 河童の色と形
二 河童像に付加されたイメージ
三 良い環境をつくる河童
四 神様として位置づけられる河童
まとめ ―町おこしによる河童イメージの変化―
民俗展示の新構築シリーズの趣旨(小池淳一)