
2018年 四六判 P293 帯付 カバー少スレ、背少折れ跡、端少イタミ
“口裂け女 コトリバコ 貞子、伽椰子 イザナミ アルテミス フレイヤ……
その女はなぜ「怖い」のか 世界の女神神話にその答えが”(帯文)
“ホラーや都市伝説、怪談で描かれる恐るべき女たちは、なぜ恐れられるのか、どのように恐怖と結びつけられるのか。「怖い女」の原型を世界の女神神話から読み解く!”(カバー袖紹介文)
目次:
はじめに
【第一章 口裂け女 ―追いかけ、呑みこむ女】
イザナミと口裂け女/本当は美しかった口裂け女/三津田信三『どこの家にも怖いものはいる』/裂けた口の意味/呑みこむ女 ヤマンバ、変婆、バーバ・ヤガー
【第二章 醜さの怪異 ―イハナガヒメの娘たち】
都市伝説 ひきこさん/押切蓮介「成長する小窓」/お岩さんとイハナガヒメの対応/バナナ型 死の起源神話
【第三章 不均等の力 ―石の末裔たち】
都市伝説 テケテケ、カシマさん、だるま女/人面瘡と頭二つ「ぼっけえ、きょうてえ」「四角い頭蓋骨と子どもたち」/不均等の力
【第四章 怖い箱 ―コトリバコ、パンドラの箱、玉手箱】
コトリバコ/パンドラの箱/生命を回収する箱/浦島太郎/美内すずえ「妖鬼妃伝」/京極夏彦『魍魎の匣』
【第五章 『呪怨』伽椰子 ―蛇女神の末裔たち】
伽椰子と蛇/世界の蛇女神/怪異と境界/蛇と女/山岸凉子「肥長比売」/上田秋成「蛇性の姪」/二人のお玉/姦姦蛇螺
【第六章 『リング』貞子 ―母なるものの恐ろしさ】
母性という神話 バダンテール、湊かなえ
【第七章 『着信アリ』 ―少女と内なる母】
少女とその内なる母/着信アリ/母と子の一体化/アルテミス的女性像/クマリの両義性/天使の指/デメテルーコレ症候群 母娘の一体性/三津田信三『のぞきめ』/死神としての少女/岡本綺堂「停車場の少女」/死の運命を課した少女神
【第八章 呑みこむ女】
現実の「呑みこむ母」と摂食障害の娘/生・性・死と文化と、女/神話の中の『呑みこむ母」 メデイア、ブロクネ/花房観音「風車の女」/小野不由美『ゴーストハント2 人形の檻』/今邑彩『赤いべべ着せよ…』/山岸凉子「鬼子母神」「スピンクス」「メディア」/八尺様/『今昔物語集』/「蛇の母」カドルー/愛する男を呑みこむ女 ―「あなたの一部だけあればいいの」/五十嵐貴久『リカ』『リターン』/オスカー・ワイルド『サロメ』/山田宗樹「螳螂の気持ち」
【第九章 大量殺人鬼の女とトリックスター
木嶋佳苗と花房観音『黄泉醜女』/中山七里『嗤う淑女』/トリックスター ロキ、アマノサグメ/「悪意」に満ちた「魔術師」フレイヤ/柴田哲孝『砂丘の蛙』/吉田恭教『可視える』/死神のような女
【第一〇章 怖い母性】
生命の回収/貴志祐介『黒い家』/貞子の「母性」/澤村伊智『ぼぎわんが、来る』/『ラーマーヤナ』の呑みこむ魔物/山田悠介『親指さがし』/橘外男「蒲団」
【第一一章 世界神話の怖い女神】
日本神話の「呪う女神」 ―イザナミ、イハナガヒメ、春山之霞荘夫の母
{イザナミ/イハナガヒメ/春山之霞荘夫の母}
死の女神
{ヒネ/「イナンナの冥界降り」}
血を求める女神
{トラルテクトリ/魔女ランダ}
運命の女神
{キキーモラ/モーコシ/モイライ/ノルン/『マハーバーラタ』ダートリとヴィダートリ/キルケ/ヘレネ}
戦争を引き起こす女主人公
{『マハーバーラタ』ドラウバディー/フレイヤ}
恐るべき女神
{カーリー/セクメトによる人類殲滅}
ガイア
{怪物の息子たち/ウラノスとクロノス(父子の争い1)/アプロディテの誕生/クロノスとゼウス(父子の争い2)/ギガントマキア}
終章
あとがき