驚きの介護民俗学 六車由実 シリーズ・ケアをひらく 医学書院

2012年4刷 A5判 ソフトカバー P233 帯付 カバーごく僅汚れ

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2012年4刷 A5判 ソフトカバー P233 帯付 カバーごく僅汚れ

“語りの森へ。
民俗学者は老人ホームで何を聴いたのか。
『神、人を喰う』でサントリー学芸賞を受賞した気鋭の民俗学者は、あるとき大学をやめ、老人ホームで働きはじめる。気づくと彼女は、「忘れられた日本人」たちの語りに身を委ねていた―。”(帯文)

“…「介護民俗学」などという分野があったわけではないし、ましてやそんな言葉だってなかった。私自身の反省でもあるが、民俗学にとって、介護の現場は関心の外だったのである。けれど実際に現場に入ってみると、先ほど述べたように介護現場は民俗学にとってとても魅力的な場所だし、また、民俗学でこれまで蓄積されてきた知識や技術が介護現場に役立つ可能性もあるのではないか、と私には思えた。そこで、「介護現場は民俗学にとってどのような意味をもつのか?」、そして「民俗学は介護の現場で何ができるのか?」という二つの方向性から問題提起をしてみようと思い、あえて「介護民俗学」を掲げてみたのである。…”(本書巻頭「はじめに」より)

目次:
第一章 老人ホームは民俗学の宝庫
 「テーマなき聞き書き」の喜び
 老人ホームで出会った「忘れられた日本人」
 女の生き方

第二章 カラダの記憶
 身体に刻み込まれた記憶
 トイレ介助が面白い

第三章 民俗学が認知症と出会う
 とことんつきあい、とことん記録する
 散りばめられた言葉を紡ぐ
 同じ問いの繰り返し
 幻覚と昔話

第四章 語りの森へ
 「回想法ではない」と言わなければいけない訳
 人生のターミナルケアとしての聞き書き
 生きた証を継承する ―『思い出の記』
 喪失の語り ―そして私も語りの樹海《うみ》に飲み込まれていく

終章 「驚けない」現実と「驚き続けること」の意味
 「驚き続ける」こと
 驚きは利用者と対等に向き合うための始まりだ

おわりに
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