2013年 四六判 P209 帯・カバー僅汚れ 裏遊び紙僅剥がし跡
“ケガレから生まれ清まりへ
なぜ被差別部落に白山神社が多いのか?
白山信仰がその一大中心地・北陸で、一向一揆に駆逐され、時宗との対立・融合をみながら、近世に入って蘇った姿を追う。民俗学永遠の謎に挑む、著者畢生のライフワークをまとめる述志の書。”(帯文)
目次:
序章 白山信仰の謎と被差別
{白い宗教と黒い宗教/白とシラ/先達は菊池山哉}
第1章 被差別部落が祀る白山神
{弾左衛門屋敷の白山神/シラヤマ神社とハクサン神社/各地の白山神社}
第2章 悪所の白山信仰
{吉原の客人神/「八犬伝」の小石/聖と賤の二重構造}
第3章 神の子孫であることを主張する「河原巻物」
{山哉が発見した「三国長吏由来記」/さまざまな河原巻物/曹洞宗の切紙から/白い雀と鶴姫伝説}
第4章 差別と暴力 ―菊池山哉の民俗世界にそって
{「俘囚」という曖昧でねじれた存在/差別と暴力の隠微な関係/血と暴力は聖なるものに道を開く}
第5章 白山信仰と柳田・折口
{柳田國男の緘黙/ククリとムスビ/折口信夫は隠れ白山信徒か}
第6章 白山信仰と中世北陸の宗教風土
{父祖の地との由縁/道元の永平寺開山/那谷寺でのシンポジウムに参加して/時宗二祖他阿真教の越前遊行/真宗高田派と三門徒教団の「秘事法門」/蓮如の吉崎坊進出と本願寺派の席巻/在地の白山信徒はどう対応したか/「嫁脅しの面」と五ヶ山民謡}
第7章 白山信仰と一向一揆
{越知山大谷寺訪問/加賀一向一揆の諸相/白山相論と山内衆/越前一向一揆と平泉寺白山神社焼亡/白山麓と真宗/真宗部落の民俗と白山信仰/徳川幕府と諸藩の寺社政策/殉教と隠れ ―非転向者のゆくえ}
第8章 白山信仰と時宗系部落
{ヒジリの末裔/東国における時宗教団の展開過程と被差別部落/時宗・鉦打研究会での報告から/長吏部落と鉦打部落の対立/白山信仰との結縁/介在する善光寺信仰/時宗・白山信仰が衰微し、形骸化するなかで}
あとがき
主な参考文献
初出一覧