1989年 四六判 P275 函角僅イタミ 両見返しヤケ
目次:
まえがき ―「仏教民俗」ということ―
第一章 「末期」の問題 ―人生儀礼―
{末期の水をめぐって/末期の願い水(望み水)/「死水」について/「魂よばい」と「水」/供養としての「水」}
第二章 「安楽死」の願い ―社会問題―
一 「安楽死」の問題とその現代的意義
{「安楽死」について/問題の所在/「安楽死」と老人問題/「安楽死」と心身障害者問題}
二 「安楽死」をめぐる民俗
{秋田の「コロリ地蔵」/山形の「コロリ観音」/山形の「コロリ薬師」/山形の「イビダレ地蔵」/山形の「青麻権現」の信仰/会津の「中田の観音」/東京の「矢来のお釈迦様」/足柄山聖天堂/市山の「チョーツバ」の神さん/神戸の「那須与一の墓」/「即成院」の那須与一/「ポックリ往生」の寺/光明山・阿日寺/保久利大権現/岡山県における「安楽死」の民俗/愛媛県における「安楽死」/「大般若理趣分」の功徳/瀕死の病人を「オコス」習俗/「安楽死」のための「願もどし」}
三 「安楽死」余話
{ 「末期の水」と安楽死/「蓮華往生」について/「極楽死」/正岡子規の場合/聖書に見える「安楽死」(?)/「コロリ観音」/小田原市久野で聞いた話/聖徳太子と「安楽死」}
第三章 死出の旅路 ―葬送儀礼―
一 葬送習俗について
{死装束のいろいろ/棺への納入物/死者の杖/葬送習俗における「三角紙」の問題}
二 「死出の山」について
{「死出の旅路」ということ/「死出の山」の背景}
三 地蔵信仰の展開 ―特に「六地蔵屏風」を中心にして
{「六地蔵屏風」の民俗/「六地蔵」の出現とその性格/六道能化の仏としての「六地蔵」/「六地蔵屏風」からの連想/結び}
第四章 怨念の問題 ―死後の供養―
一 非業の死者とその怨念
{非業の意味とその葬法/「間引き」の地蔵絵馬/死者の結婚/「人神」(祀られる怨念)について}
二 後生車(念仏車)の伝承
{名称/形態と分布/製作年代/後生車の信仰/後生車信仰と功徳/太宰治の「思ひ出」と「後生車」}
第五章 霊魂の行方 ―日本人の来世観―
一 「燕」の伝承
{「蒸」の語源/「燕」とはどんな鳥か/炉縁(オクラブチ)の伝承/葬送習俗に見られる「燕」/神輿に見られる「燕」/昔話における「燕」/法隆寺聖霊会並びに四天王寺舞楽等における「燕」/涅槃像(図)における「燕」/「和讃」に見える「燕」/八丈島における「燕」/「燕」に対する感覚の変遷}
二 五百羅漢の信仰
{五百羅漢の意味/中国(支那)における五百羅漢/造像(図像を含む)より見たる五百羅漢/五百羅漢像の分布/五百羅漢像の解説/五百羅漢信仰の内容/「死霊のゆく山」の民俗と五百羅漢信仰}
あとがき