昭和49年3版 新書判 P266 全体に経年によるヤケ、汚れ、角折れ跡 カバーイタミ多 付録欠
“超常現象の謎に光をあてた快書 (横尾忠則)
ぼくが生まれて最初に知った超常現象はコックリさんだった。当時あまりよく当るので乱用したおぼえがある。コックリさんの背景には何らかの科学的な原因があると思っていたが、このことについてはどこにも説明されていなかったので、ついわれわれは迷信だと思っていた。こんど中岡俊哉氏が非常にタイムリーに、コックリさんに真正面にしかも真面目にとり組まれ、コックリさんの謎の部分に光をあて、今日的な問題としてとりあげられた。”(カバー袖推薦文)
コックリさんをめぐる事例や、地域・年代によるバリエーション、コックリさんの歴史、迷信をめぐる考察など、さまざまな角度からコックリさんを解説する。
目次:
【I コックリさんが帰らない】
1 呼んだキツネに取り憑かれる
{女子寮で夜ごとコックリさんを呼んだあとで/真夜中にえもいわれぬ恐ろしい体験}
2 死を予告された中学生
{ブンアナタハシニマス}
3 お告げを無視したばかりに
{この家は呪われている/老漁夫にもてあそばれた死美人の霊が}
4 五人の命を奪ったコックリさん
{祖国に帰りたいばかりに/脱出できずに射殺された仲間たち/コックリさんを科学する必要性}
【II コックリさんのやりかた】
1 古典的な方式
{割箸三本と文字盤を用意/文字盤を中心に三人が車座に位置する/コックリさんが来ると体が少し熱くなる}
2 針金を使う武蔵村山方式
{町の水道業者がなにげなく提案/公の機関がコックリさんを正式採用した意義/L字型に曲げられた二本の針金を用意する/埋設水道管の上にくると自然に開く/朝日新聞の取材記者もみごと成功!/大分県・別府市の水道課でも使いはじめた}
3 コックリさんの公開実験
{割箸のかわりにコインを使う/ここは名古屋大学の一室/心の底から怖くなった松本副団長/臨床心理学の丸井先生も現象を確認/コックリ さんがのり稀ると非常に自由な気持になる/コックリさんが地球の滅亡を予言!/二〇〇六年八月七日、宇宙人が地球を襲う!/テープに録音された電話交換手の声}
4 山形方式
{超常現象研究学生グループのコックリさん実験/コックリさんの原理・三つの仮説/コックリさんをパラサイコロジーの面でとらえる}
5 北海道方式
{風通しのよい部屋でかならず二人でやる/ 一人でも数人でもやれる方式もある}
6 水戸方式
{キツネではなく人間の霊が呼べた!}
7 西洋コックリさん方式
{カードとコップを使う変り種/犬年生れでもできるコックリさんはないものか/コップの中に人間の霊を呼び入れる/コップが何の抵抗感もなく自然に動き出す/コックリさんの後遺症/割箸コックリさんの文字盤はかならず焼きすてないと/子供がやったコックリさんが「テフテフ」と綴る意味は?/呼び出された霊によって供物への反応も違う/動物がいるといやがる霊が多い/西洋コックリさん成功の条件/コップの動きに抵抗したとたんに霊は帰ってしまう}
8 現代式コックリさん
{作用する霊に余分な手間をかけぬ合理的方式/福島県・いわき市の「霊魂さん」方式/名古屋市の「霊魂さん」では胎児の霊が出た/鳥居とともに油揚も書き入れてある珍しい文字盤/おちょこを使う「霊魂占い」/コップに息を吹きかけてから呼ぶ八戸方式/さかづきの糸底に油を入れる長崎方式}
9 諸外国のコックリさん
{中国・山東省の「竜神占い」/アフリカ・コンゴの「ウンパパ」/ジャマイカの「サルパ」/ブラジルの「パチュペ」 /ハンガリーの「カオレ」 /不吉なお告げは警句として、みずからの努力で新しい道を開く}
【III コックリさんの歴史】
1 流行は不吉の前兆
{江戸中期に発生か/戦争とコックリさん/外国では大きな戦いの前に流行}
2 色街から下町へ
3 コックリさんとイタコ
4 コックリさんの正体
{キツネと稲荷信仰の関係/コックリさんとキツネの関係}
【IV コックリさんと迷信】
1 迷信のメカニズム
{迷信に科学のメスを入れよう/昨日の迷信は明日の正信/迷信は自己保存欲の恐怖から生まれる/感情に支配される判断の誤まりが縁起の正体/迷信を生みやすい風土・歴史/迷信の定義/迷信にもかならず一利はある/事実を事実として科学せよ!}
2 心霊科学へのアプローチ
{霊魂が五円玉を動かすことはありうるか?/霊魂を呼び出して害はないか?/私には悪霊でも住みついているのでしょうか?/祈禱師に相談したら「呪われている」と出てしまったが?/人間にはかならず守護霊が憑いているというが?/自動書記でスイカ相場を的中しているが?/精神病の幻聴 と心霊科学の霊聴とはどう違うか?/霊能力者が私に変なそぶりをするのです が?}
【V コックリさんと心霊科学】
1 コックリさんの原理は何か
{科学と宗教とパラサイコロジー/市民権を得た科学としての催眠術/Xの力の存在/心霊科学のあけぼのは近い/科学に必要なデータの蓄積/霊魂の存在はいまのところ仮説だが/宇宙飛行士が心霊現象研究協会を設立した意味/霊魂解明への障害は何か/霊の力が作用する四つの現象}
2 自動書記現象の実例
{文盲の青年がある夜タイプに向って/無意識のうちに自分の知らない事実を綴る/遠くベトナムの戦場で戦う弟の姿をありありと/綴られた話は事実であった/自動書記の絵は少ない}
3 自動書記のメカニズム
{霊媒の指導霊が霊媒の言魂に命令!/ウィジャ盤は自動書記の道具/ハート型のプランセット/文盲のシャビエルが死んだ作家の小説を自動書記で書く/中国のフウチも自動書記の一種/自動書記で働く三つの要素}
4 コックリさんは自動書記の一種
{コックリさんの正体はキツネではない/コックリさんの持つ迷信性を打破せよ!}
【VI 心霊能力の開発方法】
1 心霊能力の素質を開発する
{根本は人間の心/有我無我て自分をコントロールする}
2 心霊テスト
3 精神集中トレーニング
{(1)呼吸法トレーニング/(2)山中でのトレーニング}
4 心霊能力開発トレーニング
{(1)振り子トレーニング/(2)ウィジャ盤トレーニング/(3)霊波トレーニング/(4)霊性トレーニング/(5)霊写真トレーニング/(6)念写トレーニング/(7)招霊トレーニング}
5 心霊力を人生のプラスに
【VII 心霊をいかに考えるか】
1 霊魂の謎を究明しよう
{科学者も大きな視野に立つべきだ/霊魂の存在なしには考えられぬ種々の現象}
2 心霊科学は「心」の科学
{霊魂に関する10のポイント/心霊アンケートの結果が示すもの/霊魂の正体は何か}