1988年4刷 四六判 P373、376 各巻カバー時代シミ多、端イタミ 天汚れ、時代シミ 小口少汚れ 上巻P338・339および下巻P332・333ノド部分汚れ(栞紐のインク色が付着したもの)
1959年に現代思潮社から出版された澁澤龍彦訳『悪徳の栄え・続 ―ジュリエットの遍歴』がわいせつ文書にあたるとして、1961年に争われた裁判(第一審)の記録。
下巻巻末には、文学者たちが裁判についてさまざまな媒体に寄稿した文章を収める。
“いわゆるサド裁判は、ワイセツか芸術かといった低次の論争のレベルを超えて、思想の根源的自由の擁護としてたたかわれ、現代思想の出発点を刻した。起訴から第一審判決に至る記録を収める。”(カバー裏紹介文)
被告 澁澤龍彦、石井恭二
特別弁護人 埴谷雄高、白井健三郎、遠藤周作
弁護人 大野正雄、中村稔、柳沼八郎、新井章
証人 大岡昇平、奥野健男、吉本隆明、大井広介、森本和夫、針生一郎、栗田勇、中島健蔵、大江健三郎、中村光夫
【上巻】
目次:
I 第一回公判〜 第二回公判
起訴状
求釈明書
釈明書
検察官冒頭陳述
質疑
弁護人冒頭陳述
弁護人意見陳述
被告人意見陳述
渋沢龍彦/石井恭二
特別弁護人意見陳述
白井健三郎/遠藤周作
II 第三回公判〜第四回公判
検察側証言
田崎敏子/清水貞助/生江義男/内藤文質/橋本政東
III 第五回公判〜第十四回公判
弁護側証言
大岡昇平/奧野健男/吉本隆明/大井広介/森本和夫/針生一郎/栗田勇/中島健蔵/大江健三郎
【下巻】
目次:
弁護側証言・続
中村光夫/埴谷雄高/白井健三郎/(江熊・畑・松沢・大野・有坂・植木・広瀬各氏の弁護側証言を割愛)/伊藤正己
被告人特別尋問
渋沢龍彦/石井恭二
IV 第十五回公判〜第十八回公判
論告・求刑
弁護人・特別弁護人最終意見弁論
大野正男/埴谷雄高/白井健三郎/中村稔/新井章/柳沼八郎
被告人・最終意見陳述
渋沢龍彦・石井恭二
判決
V サド裁判をめぐって
三島由紀夫{受離のサド}
埴谷雄高{サド裁判を傍聴して}
大岡昇平{禁書への道を閉ざせ}
文芸家協会声明
若林真 {二十世紀を支配するサド}
森本和夫 {サドとチャタレー/不思議な情況/法廷は自壊する}
栗田勇 {一体なにが起ったのか}
石井恭二 {裁判随想}
渋沢龍彦 {発禁よ、今日は/裁判を前にして/不快指数八〇/サドは無罪か}
埴谷雄高 {サド裁判その後}
あとがき